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 【2/23/2007】

 皆様ご存じとは思いますが、我らがみすず監査法人(旧中央青山監査法人)が、2007年3月末決算の対応をもって全業務を終了し、事実上解体されることになりました。日本の監査業界に激震を与えた一連の事件も、最後は監査法人の事実上解体という形で決着がついたこと、出身者の一人として隔世の感をもって眺めています。

 今から数えること20年ほど前、みすず監査法人の母体である旧中央会計事務所システム監査部(Coopers & Lybrand)に、私はその職を得ました。そこで得た様々な経験や人脈が、今日の私を作ったことは間違いありません。その後、中央会計事務所は中央新光監査法人、中央監査法人、中央青山監査法人、みすず監査法人とさまざまに名称を変えましたが、最後は自らの解体で幕を閉じることになります。

 多くの会計士や職員の名誉のために申し上げますが、そこに務める多くの職員は、自らの存在意義と職業人としての全プライドを賭して、困難かつ過酷な環境で誠心誠意業務を遂行してきました。ただし事実として、少数の倫理観に欠く職員のために、残念にもそれまでの努力はすべて否定される結果となってしまいました。私には事の善悪や事実の有無について判断する立場にはありませんが、多くの企業同様職業人として最高の人材が間違いなくそこにいたこと、また名もない多くの職業人が自分の使命を誠心誠意まっとうしていたことはご理解頂きたいと思います。

 世の中は、J−SOX法ブームに沸いていますが、そのブームの蔭でみすず監査法人の末路がビジネスパーソンすべての記憶に刻まれることを祈っています。自らを律すべき立場の人間が自らの奢りに負けたとき、その末路はかくのごときものとなります。米国のアーサー・アンダーセンしかり、日本のみすず監査法人しかり。IT業界も、この轍を踏まぬよう、自らを律する時期に来ているように思います。J−SOX法の真の怖さはこれから理解されていくでしょうが、その中でIT業界に解体を要する企業が出現しないことを、心から祈りたいと思います。

 さよなら、中央会計事務所。そして、ありがとう。