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 【6/25/2006】

 昨日晩、今年3月まで大変お世話になった小川信尚講師の通夜に参列してきました。府中で仕事を終えた後に移動したため、移動時間2時間で遅刻1時間の19時過ぎになってしまいましたが、どうにか祭壇前にて焼香を済ませることができました。

 正直今回の件は、自分でも思っても見ないほどのダメージを受けました。理由はよくわからないのですが、昨日は本当に精神的に低調であり、かなり落ち込みました。なにがなんでもご挨拶だけは、という気持ちで駆けつけましたが、ちょっとだけ気持ちが晴れた気もします。

 たった1年という短い期間に、本当に多くの思い出を残してくださった方でした。その軽妙な話しぶりの一つ一つ、顕微鏡前での姿、休憩時間の会話など、すべてが鮮明な記憶として残っています。私の卒業制作に対し、「過去10年の1番の秀作と思います。」との評価が、私には最大の勲章となっています。最後にお会いした卒業式で、私の怪我をした右手を思いっきり握手したその力強さがしっかり残っているため、本当にこんなに早くお別れが訪れるとは夢にも思いませんでした。

 思えば我々が節目の10期生、その終了とともにほっとした気持ちから倒れられたのかもしれません。ご自宅で倒れられたのは5月半ば、ガンが転移しての最後だったそうです。となると我々が教わった1年間は相当にお体の調子も悪かったのでは、と推察しますが、そんな様子を微塵とも感じさせず熱心に教鞭を執ってられていました。その技術や熱意、体調不良を押してのご指導に、日本の職人魂を心底見せられた気持ちがします。通夜の席も、非常に大勢の方が弔問に訪れており、先生の人望の厚さを感じました。

 弔問の帰り、不思議な体験をしました。斎場の前でタクシーを探している私に、一人のお坊さんに、「駅までご一緒しませんか」とお声をかけて頂きました。そのお坊さんは、偶然にも小川先生の読経を行った方であり、先生の安らかな最後の姿までお話し頂きました。「坊主と一緒になる、というのは縁起がいいんですよ。きっといいことがありますよ。」とおっしゃって頂いたとき、私の気持ちに先生に伝わったことをお応え頂いたように感じ、本当に嬉しく切なくなりました。

 小川信尚氏のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。 合掌。

  http://www.jewelry.ac.jp/onweb/wc/w_column/ishizaki/vo_11.html