Diving Auberge UMIMOGURY TEI       

osco top


.
Prologue

next

back

 

・亭主敬白

 独立して早20年を越え、若さ故の駆け足で突っ走ってきた私ですが、人生もそろそろ曲がり角を過ぎた感があります。体調の不調や体力の低下も日々感じるようになってきましたので、年齢的にもビジネスの世界で貢献できる時間はあまり残されていないのかもしれません。

 「日本を変える!」これが私の夢でした。この夢の旗印を一瞬も降ろしたことはありませんが、それでも日々の忙しさの中で目先のことだけに集中してしまい、本当の意味で日本に貢献できたことはなかったのかもしれません。子供たちの住みよい国を作るつもりでしたが、自分の子供はとうに巣立って自らの道を切り開いている最中であり、私の作るはずだった住みよい日本は、既に彼らの手にゆだねられているのです。

  「老兵は死なず。ただ消え去るのみ。」
    (Old soldiers never die, they just fade away.)

というマッカーサーの言葉がありますが、私自身が老兵となりつつある今、ここでもう一度初心に返る必要があるのかもしれません。

 ここで、もう一度皆様に宣言します。
  私は「日本を変える!」ということを。

 しかしそのアプローチは、今までと少し違うのかもしれません。若いビジネスパーソンへの辻舌鋒(つじぜっぽう)は続けますが、とはいえもっと違ったアプローチで「日本を変える」ことにチャレンジしたい思います。気づけば同世代が増えた上場企業の管理者や私のようなヤクザ者を含めて、みんなが暮らしやすい日本を実現するアプローチをとることにしました。

 それはなにか?

 自らを振り返り、世の中を顧みれば、我々に一番欠けていたもはなにか?自問自答が続きました。しかしながら、その答えは目の前にあったのです。その仮説が立ったとき、私はその仮説を立証すべく人生最後の無謀なチャレンジを始めることにしました。

 それはなにか?

  それは「遊び」だったのです。

 遊びとは楽しみであり、遊びは余裕です。遊びがあるから人間関係は豊かになりますし、遊びがあるから心が安まります。遊びがあるから人とふれあえますし、遊びがあるから違うことを受け入れられます。

 その遊びをもう一度我々の手中に取り返すために、私は自らチャレンジを始めることにしました。

 では具体的に何を始めるのか。

 私が出来ることは、なにか。それは遊びの場所を皆様に提供し、一緒に遊ぼうということです。私が遊びを提供するのではなく、皆様に遊びの場を提供し、皆様が自ら遊んでいただくことを考えついたのです。知らない人々が集い、様々な道具で遊び、スポーツを楽しみ、走り回り、星空の下で酒を飲み、家族と一緒に笑う。夕陽を眺め、星に感動し、焚き火の煙にむせびながらグラスを傾ける。こんな場を作る!これが私のチャレンジです。

 準備期間は半年かかりましたし、まだまだ準備は続きます。それでも遊びの場所は確保しました。

 その場所は、都会の喧噪を忘れる伊豆の片田舎です。

 さあ、遊びの場、

「ダイビング・オーベルジュ 海潜亭」

                                 の開店です!