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南の島のたったひとりの会計士  (4/1/2007) 

 屋宮 久光  扶桑社  \1,365

 どこかの書評で見た本ですが、実際に購入して読む気になったのは最近のことです。

 奄美大島出身の公認会計士の半生記であり、苦学を重ねて公認会計士になったり、志を持って甘みに返り挫折したり、その最中でアル中になったりと波瀾万丈の人生が淡々と述べられており、比較的スッと楽に読めた本でした。

 ドラマとしての半生記は面白いですが、ビジネス上のヒントはそれほど多くはないため、暇つぶしには良いのかもしれませんが、学ぶべきものはそれほど多くはなかったように思います。しかしながら公認会計士に対する誤解や、独立事業者の会計や税に関する無知はそれなりに表現されていますから、多少の参考になるかもしれません。

 私自身が一番面白かったのは、公認会計士になる人間の性格が表現されている点です。これまでたくさんの会計士と知り合ってきましたが、その多くがやはり同様の性格を持っている点に驚かされます。私の師匠しかり、TAC社の社長しかり、友人の会計士諸氏しかり。こういった執着型兼壊れた人間系でないと、難しい試験は通らないのかもしれません。

 田舎の現状と、公認会計士になる方に共通する性向を知りたい方に。

13歳からの論理ノート  (2/25/2007) 

 小野田博一  PHP研究所  \1,100

 ちょっと薄くて高い本なんですが、その価値は十分にあった本なのでご紹介します。

 その名の通り中学生でもわかるような論理学の本なのですが、これがまた石頭に結構効くよい本です。ご存じの通り私はあまりおつむが強くないので、難しい本は正直苦手です。難しい本を読むとわからなくなるだけでなく、その理論一つ一つに反論や疑問が生まれてしまい、結局納得とはほど遠い世界で本を読み終わることが多いからです。

 この本は子供を対象に書かれたものではなく、子供でも読めるように書かれた本のように思われます。したがって例や記述内容は平易なものが多いですが、なかなかこれが論理や論理学の本質を突いた内容が多くて非常に興味深い本です。また演繹や帰納、前提といった論理構築をする上で重要となる各種用語についてもわかりやすく、かつきちんと定義されており、自分の誤った理解をも正してくれます。

 論理学を、論理的に学びたい、非論理的な方に。