これまた難しいご質問ですね。
しかし「一つに集中すること」=「回りの情報を遮断する」という風には思いませんし、「考える可能性を消す」とも思いません。人間もInput /
Process /
Outputがありますので、インプットの後にプロセスを回せばいいだけですから、可能性は消えません。ましてや器用な方であれば、一生懸命同時に行うことも可能なはずです。
優秀な役者は、相手や観客の反応を敏感に感じ取って表現を変えてきます。これはInput / Process /
Outputを同時に行っている例でしょうし、同時に手抜きはないはずです。となれば、一生懸命同時並行でことを行うことは可能なのではないでしょうか。
逆に回りの情報を遮断することが集中と考えるのであれば、それは誤りです。それは強烈な「我」を意味しますので、力が出ないと思われます。「無」になることは情報を遮断することではなく、すべての情報を受け入れることです。すべてのものの中に自分が存在する、逆にすべての存在を意識できるからこそ自分の存在が無くなり、同時にすべてが自分であることができます。この状態を作り出すことが集中と思いますし、そういった集中を行える人間を、人は「達人」と呼びます。