私のエッセイであるITの未来でご説明しているとおり、Blu-rayディスクは過渡的メディアであり、それほど大きなシェアも得られないでしょうし、長い期間主力として市場を牽引することも出来ないでしょう。
回線速度が高まれば、Blu-rayディスクの記録メディアの必要性が薄れます。たとえば映画であれば、ネットから高速かつ簡単にダウンロードできるのであれば、記録メディアは不要になります。具体的にはコンテンツ提供会社から利用権を購入し、好きなときに好きなメディアで楽しめるようになる、というのが本当でしょう。たとえば本当に好きな映画であれば、50年間の鑑賞権を権利として購入すればよいのです。そうであれば、自分の家のテレビでも、PCでも、携帯でも、友達の家でもその映画を楽しむことが出来るようになります。それほど好きでなければ、1回だけの鑑賞権を購入すればよいことになります。こういう仕組みができれば、DVDやBlu-rayディスクといったメディアで映画を販売する必要が無くなります。
家庭用ビデオで子供の成長を撮る場合も、テープやディスクより無線でセンターに記録され、保管される仕組みのほうがよいと思いませんか。そうすれば、おばあちゃんちに出かけた際、孫の成長の姿を自由に見せることが出来ますし、海外旅行中に家族の映像を楽しむことが出来るようになります。また万が一火災等があっても、家族の記録が無くなることはあり得なくなります。
このように今後の社会は、高速ネットワークに支えられ、個々人のデータはセンターで保管される姿になると思いますので、Blu-rayディスクはカセットテープの後を担ったMDのような過渡的メディアに見えてしまいます。