【菅野孝男先生 ご引退】
本日、プロジェクトマネジメントの先駆者として精力的に活躍されていらっしゃいました菅野先生よりご連絡があり、この夏ですべての業務からご引退されることを知りました。
私がプロジェクトマネジメントの研究を志すきっかけを作っていただいたのが菅野先生の書籍であり、その後ご縁があってさまざまなことをお教えいただきました。本日の私のプロジェクトマネジメントスキルがあるのは、すべて菅野先生のおかけと申し上げても過言ではない、私に影響を与えていただいた大先生でありました。また駆け出しの私をかわいがっていただき、さまざまな催しに声をおかけ頂くなど、本当にお世話になっておりました。
菅野先生はプロジェクトマネジメントの世界だけでなく、ＩＴ業界の法務にも精通された方であり、実務的観点からさまざまなテーマについて積極的な研究を行われておりました。プロジェクトマネジメントの世界が変革するだけでなく、コーポレイトガバナンスやコンプライアンスなど、遵法に関する意識がIT業界にも高まってきたなか、先生の突然のご引退は本当に衝撃としかいいようがありません。
聞くところによりますと、今年の春脳卒中で倒れられ、それをキッカケとしたご引退だそうです。目指すべき背中が舞台から去った後、その姿を追う我々としては何をすべきかを真剣に考えなければならなくなりました。変化するプロジェクトマネジメントの世界で、新しいプロジェクトマネージャの姿を描き出す責任がこちらにかかってきたことを感じ、ますます気が引き締まる思いです。菅野先生の足跡を単にたどるのではなく、先生の思い描く世界を少しでも現実にできるよう、これからも精進を続けなければならないようです。
プロジェクトマネジメントの世界の古典的名著である「ソフトウェア開発のマネージメント」の最新版が出ないことを不思議に思っておりましたが、体調を崩されて最新版作成を断念されたようです。この名著の続きを読むことができないことは本当に残念ですが、後に続く私自身が頑張ってこの続きとなるべき書籍を執筆しなければならないということかもしれません。
菅野先生、本当にいろいろと有り難うございました。また本当にお疲れ様でした。菅野先生の第二の人生が充実しておりますことを、心からお祈りいたします。
