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Weekly report
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 June Fourth week

 6月第4週目のWeekly reportです。

 先週は、今年度最後の新人研修でした。例年新人に対していろいろ思うところがあるのですが、今年はちょっと状況が違い、かなり戸惑う毎日でした。

 ゆとり世代の走りである彼らは、自分を否定された経験がありません。少子化と大人の自信喪失から、怒られることがほとんどなく育った世代です。おそらく親にすら手をあげられた経験のない子供達ですし、学校でも優秀だったのでしょう。私が相手するのはその中でも優秀な新人さんばかりでしょうから、ある意味典型的にこの傾向が強いように思います。その結果として、非常に興味深い世代が出現しています。

 まず一つは、考えないということ。考える気力がないのではなく、考えることができないのです。考えることは、真っ白で真空の頭に何かが浮かぶことと思っていますので、ただ呆然としているのが彼らが考えることなのです。学校や試験では、記憶力を要求します。さらにPC教育が導入されていますから、わからないことはネットを調べます。その結果ネットの大半に書かれたことは正しいと信じてしまいますし、それを記憶することが成績の優劣に繋がります。
 また試験では記憶力に基づいた応用力を要求されますので、記憶した事実をもとに組み合わせることは得意です。しかし知らないことについて推論をしたり仮説を置くことはしたことがありませんから、結局本当の意味で考えることは出来ないのです。

 次に情報の取捨選択が上手いこと。インターネットに代表されるように、現代社会は情報が氾濫しています。その大量の情報の中から情報を取捨選択することが、これまた上手い。あっという間に必要な情報を素早く集め、それを組み合わせて表現していきます。逆に必要のない情報をつぎつぎふるい落とし、ストーリーを作っていきます。文章を読む速度も速いですし、あっという間に情報を収集します。
 ところが逆に、仮説を立てたりその情報を疑うことは、本当に苦手です。自分の考えを立証する情報が多いということは、逆に反証する情報もなければならないという考えは持っていませんし、自分の信じたいように情報を信じてしまいます。そこを指摘すると真っ白になってしまい、やはり考えが前に進みません。なにより、書籍や書類の文章や画面から情報を得る際にも、「ざっと」情報を収集してしまい、「じっくり」内容を理解することが出来ません。思考のみならず調査などの行動においても、「じっくり」という言葉が死語になってしまうぐらい、拙速な行動にでます。

 最後に打たれ弱さです。自分の考えを否定されると、それにム反論することができません。しかし自分の考えに根拠のない自信はありますから、簡単にすねてしまいます。心と耳をふさぎ、それ以降一切の意見を聞かなくなりますし、自分の意見を認めてくれるところへ流れていきます。多くの場合意見すら持たない若者もいますので、その若者の輪に入り、自分の優越感を満足させることで自分を守ろうとします。結果として、そこで完全に思考が止まります。同時にそのコミュニティで自分を否定した相手を非難することが唯一の昇華作用になってしまいますので、匿名での批判力が高まってしまいます。

 その結果、現在のネット社会に象徴されるような、短絡的で匿名的な社会が生まれてしまっています。匿名であれば無敵ですが、責任の伴う現実社会での自分主張としてはなにも言えない。行動は短絡的であり、想像力の欠如から自分の行動の結果が想定できない。ネット偏重で、じっくり考えることが出来ない。これが現代の若者の代表的姿であり、こういった若者が数多くビジネスの世界にも排出されてきています。我々も、いよいよ今後の対策を検討する時期に来たように思います。

 いつの時代も、年寄りは若者の変質に驚き、その力を憂います。それが世の常であることは理解できますが、このままで本当にいいのか、真剣に考えこんでしまった一週間でした。

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・保険契約書が消える 損保ジャパン 紙やりとり不要に 電子カード作成凸版系が新技術
・FM放送設備に統一仕様 FM東京など38局策定目指す 汎用品利用 投資額1/10も
・駐車場にEV充電設備 パーク24 「タイムズ」契約企業囲い込み
・「スマートグリッド」始動 IT業界に巨大市場 データ管理、きめ細かく
・マヒンドラ、TOB開始 粉飾の印サティヤム買収 来月にも株51%取得完了
・HOYA、医療に軸足 事業執行、外部のプロ登用 CEO、経営戦略に専念
・ボーイング値下げ 一部機種 来年から11年まで CEO会見
・補聴器に癒しの音楽 会話も聞き取りやすく ワイデックスが7機種
・地方観光 アニメでPR 名所舞台に名物も登場 外国語字幕付ネット配信
・情報システムの安全性確保 技術面だけでは不十分 専門家指摘 リスク管理、カギは人
・特売など機動的に表示 電子看板 店のあちこちへ
・ヨロズ 製造設備、全社で標準化 再利用、投資額を5割削減
・小田急 電車でもクールビズ 臨時特急で、27度に設定
・セコ、異業種攻め込む 武器は病院 併設の老人ホーム開業 家庭向け警備入り口にも 

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。