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Weekly report
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 July Fourth week

 7月第4週目のWeekly reportです。

 昨日のこと、朝8時頃田町を歩いておりました。例年この時期仕事の都合で時たまこの界隈を訪れるのですが、今年はちょっと違った風景に気づきました。それは通学帽をかぶった子供の数でした。

 「朝の通学時間だから、そんな姿は普通なのでは...」と一瞬思いましたが、実はそうではありません。田町という都会で、かつ芝浦側の工場・倉庫地帯に子供が増えているのです。これにはちょっと驚きました。理由は至って簡単で、地代の上がった芝浦に倉庫や工場を持っていた企業がその土地を手放し、マンションが次々建っているのです。それも30階超の超高層マンションばかり。この数年で、その数が急速に増えました。

 かつては芝浦は、工場や倉庫地帯でした。日本の老舗企業がそこを拠点に展開し、世界に羽ばたいていきました。それは同時にそこに居住していた人間の移転を促し、古くから続く船遊びの屋形船や船宿と、老人だけが残る街になっていきました。事実一般的な商業施設は少なく、サラリーマンや工員向けの飲み屋だけが連なる街となり、やがてそこに一般企業が進出し、典型的な企業街になったのです。その結果古くからその一帯に住んでいた住民は郊外に移転し、その結果多くの小中学校が廃校になっていきました。
 しかしこの数年の地価上昇と交通渋滞が、都心にある老舗企業の工場や倉庫を撤退させる引き金となりました。もはや都心で工場や倉庫を持つメリットはなく、その跡地を有効活用した方が得策という判断が行われるようになったのです。その結果豊洲のIHIのように、撤退後の跡地が大商業施設として生まれ変わるようなことが起きていますし、関連する企業の倉庫や工場も、次々と高層マンションに変わっていきました。その流れが、芝浦でも起きているようです。

 建設ラッシュにより数が増えた高層マンションは、高層という付加価値を相対的に失っていきます。それが価格の安定をうみ、比較的低収入な若年世帯も入居していきます。さらに高層マンションはその規模の大きさから、かつての町なみの世帯数を有します。その結果それまでは老人と企業しかなかった街に、生活をする若年世帯が増加し、子供が増えていったようです。事実私のクライアントの一階にあった大型のオフィス用品専門店は、日用雑貨や食料品も扱う大型ドラッグストアに変わっておりました。となると、廃校の続いた都心の小中学校も、過疎状況を脱しクラス増が必要となる事態が生まれるのでしょう。

 この変化は、おそらく多くの都心で起き始めている現象です。逆に高度成長期の都心の地価高騰を受けて新たに作られた郊外の新興都市は、徐々に老人街となりつつあります。ドーナツ現象が逆転し、都心に人口が集中する。企業と住民、飲食街と生活用品を売る商店、今後はいままでになかった新しい都市化が始まる予感を感じた一日でした。 

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・ホンダ、既存車に相乗効果 HV車戦争、プリウス圧勝だが トヨタ、「身内」の需要喰う
・自販機に電子看板 日立、2〜3年内実用化 まず後付け型、屋内展開
・渇く工場、「水探し」加速 渇水頻発、自ら防衛に動く
・キャノンの新型複合機「iRA」開発者に聞く オフィスITの核に 文書管理など効率向上
・人間ドック 病院の「空き枠」活用 ホスピタルネット 予約サイト開設
・ソフト欠陥探し 18,000人動員 ループス、ネット経由で技術者
・クラウド導入、1週間で 日本IBM、ハード・ソフト提供 利用設定も自動化
・マツダ「アクセラ」 受注、計画の3.8倍に 「アイドリング停止」半数
・「公道走行」目指し発進 セグウェイジャパン 認知度向上・安全性PR 自治体・企業と協力
・脱バンダイ依存 他社に向け育てる ウィズ、「たまごっち」ブーム去り赤字
・サン包囲網狭まる オラクルによる買収手続き遅れるなか...
・フェリカや放送機器などB2B事業 ソニー放置、「その他」扱い 要素技術いかせず
・血圧・体重・・・ 健康管理はネットで IT企業の参入続々 在宅医療緩和にらむ
・変わる「フィルムの巨人」 デジタル製品、迅速投入 商業印刷に塗布技術活用
・あらゆるものの表面にデバイス 適所で情報入出力 印刷・繊維技術いかす
・医療・介護改革の主役達 調剤ミス 携帯端末で防ぐ アインファーマシーズ

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。