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Weekly report
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 January Second week

 失われた20年が総括されようとしているこの頃ですが、ビジネスの世界でも2011年が始まりました。若干経済状況に復活の兆しは見えているようですが、それでもこれといった大きな出来事がない今日この頃ですから、予断を許さない日々が続きそうです。

 おそらくこの10年は、さまざまな産業が劇的な転換を求められるタイミングと思います。日本の消費低迷と買い控えは今後も続くでしょうし、反面雇用や賃金で抜本的な対策を講じることはできませんから、企業の業績を抜本的に改善させることは難しいと思われます。多くの大手企業は国際化に向けた動きを始めていますが、毎度申し上げます通りそれは結果的に労働そのものを海外に流出させてしまい、結局国内経済の改善にはつながりにくくなります。リアルのビジネスでは在庫を持たないビジネスと、定常的な日常品を販売するスーパーなどの店舗しかなくなるかもしれません。イトーヨーカ堂ですら赤字のようですので、本当にリアルなビジネスは難しい時代なのでしょう。となると在庫を持つビジネスは、全般に在庫リスク回避のためネットに活路を見いだすでしょうし、それは価格競争を激化させることになります。つまり安いネット店舗が選ばれやすくなり、在庫はなくてもビジネスとしては苦しい時代が続くのでしょう。さらにネットを中心とするビジネスは、相対的に働く人間の数を減らすことになります。となれば、やはり雇用が減りますし、これがまた経済の活性を妨げる容認になるように思います。

 このような状況を抜け出すためには、これまでのビジネスモデルを根本から見直す必要が出ます。逆の言い方をすれば、その見直す行為に多くのヒントが眠っているように思うのです。企業は、消費が低迷したから海外に活路を見いだすという安直な方法ではなく、市場の育成と成長を念頭に置いたビジネスの方法をもう一度考える必要が出ます。

 私は、経済レベルが低い時は廉価な商品を提供し、経済の成長とともに高級製品を提供する、というビジネスモデルはもうすでに過去のモデルと考えています。今後は完成度の高いシンプルなプラットフォーム製品を提供し、そこにいろいろな機能を付加することを可能にする、逆にその機能の多様化によって、さまざまなニーズに応えるといった、ビジネスモデルが要求されると思うのです。まさにアップル社がiPhoneやiPadで行っていることを見習い、さまざまな製品やサービスを設計するべきと私は考えています。それは自動車でも電化製品でも家具でも同様であり、買換からアップグレードといった方向に進むべきと私は思っています。またその可能性や機能の充実はインターネットで知ることが出来る、あるいは試すことができれば、確実にビジネスは広がります。さらにアップルのようにアップグレード製品や関連製品の認定制度を作れば、サーボパーティがさまざまな関連製品を提供しても安全性にも業績にはまったく問題がないと思われるのです。

 こうやって新しいビジネスモデルを考えてみると、その実験は現在でも可能であることに気づきます。たとえば現在の自動車は基本的に10年以上の耐用年数がありますから(現に私の車は15年前から乗ってます)、シャーシやボディなどの完成度の高い基本を提供し、ハイブリッドやEVエンジンを好きなように載せ替えることが出来るような仕組みを取ればよいのです。当面はハイブリッドだけど、3年後に充電環境とバッテリーが整備されたので、EVエンジンに載せかえるといったことができれば、いろいろな意味で可能性が広がると思っています。同時にそれは基本製品を安価にすることとなりますし、長く使えるという観点でエコにもつながります。極論すれば、高い新部品は日本で販売し、取り外された中古部品を海外でといったことも可能なのかもしれません。これは自動車だけでなくPCや携帯もそうでしょうし、キッチンや住居でも同様のはずです。

 このように、これまでのビジネスモデルを踏襲するのではなく、さらに新しい仕組みを考えていく努力が我々には求められています。そのために我々は、常識に染まることなく、常に新しい可能性を検討していかなければならないと私は考えます。

 2011年。多くの人々が真剣に現在を憂い、新しいビジネスを考える年になってほしいと願っています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・ホワイトボード 映像投影可能に 龍田化学がシート
・幻冬舎のTOB 応募3分の2達せず ファンドの動向焦点
・IT投資、回復基調に 10年度 システム拡張など
・PCソフト配信倍増 NTT東、クラウド強化 確定申告やビデオ編集 個人向け月額で安く
・中堅各社、中国シフト鮮明 最大市場、遅れとれず
・コールセンター やりとりも時価 NTTアイティ 自動変換しDBに
・米ITキーンの買収手続き完了 NTTデータ
・日立、米ITを買収 ソフトウェア受託開発シエラ コスト競争力強化
・バス運行状況、即時通知 ドコモ「iコンシェル」 向けシステム
・アウディ、技術者1200人採用 今年2.4倍に EV・軽量化に注力
・タブレット端末 グーグル満開 米家電見本市が開幕 アップル存在感
・iPad無線充電 村田製作所 送受電用システム
・新日鉄化、昆布から燃料油 静岡大と開発 まずボイラー向け
・任天堂、米市場で再攻勢 3D対応ゲーム機投入 販売動向、浮沈の鍵
・中国人宿泊客対応を強化 藤田観光 客室のTV番組や催事
・日航出身操縦士 採用へ 済州航空 まず2人 路線網拡大に備え
・古紙利用「おまけ」に泣く マンガ誌付録プリントシート混入 再生紙品質低下の恐れ

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。