先日うちの脱走犬のために、こんな製品を購入しました。
犬を飼い始めて一年以上経ちますが、
自宅でトイレをしない犬のため朝晩の散歩は必須です。朝の散歩の際には近所の運動場に行くのですが、そこが近隣の犬の集会場となっています。その運動場は川の増水の際の貯水池を兼ねているためすり鉢型をしており、平日早朝はスポーツで利用されていないため、10頭前後の犬が走り回っており、さながらドッグランのようです。運動場の周りには遊歩道がありますが、スポーツ目的以外でフィールドに降りてくる人間はいませんし、基本人にかみつくなどの犬は放されていないので、比較的安全に犬に運動をさせることができます。
この半年以上、散歩の都度うちの犬もその運動場で短いリード(引きヒモ)をだけつけて、自由に走り回らせていました。実はうちの犬はペットショップで半年以上売れず、処分される寸前に引き取ってきた柴犬であり、人間に対して相当な恐怖心があるビビリ犬です。家族以外に体を触らせることはまずありませんし、大きな音や車などあらゆる外的な刺激が恐怖の対象となっています。逆にペットショップ暮らしが長かったせいかどんなに大きな犬にでも恐怖感はないようで、近所のシベリアンハスキーやレトリバーなどの大型犬とも、とっくみあいをしながら自由に遊んでいます。
ところが数週間前、散歩の時間が早かったため運動場に他の犬がいなかったせいか、運動場の入り口から犬が脱走してしまいました。散歩をさせていたのは家内なのですが、すぐに気づいて追っかけたものの、あっという間に見失ってしまったそうです。その後1時間ほど探し回ったものの発見することができず家族共々焦りに焦ったのですが、近所の犬友だちが住宅地で発見しご近所総動員で保護してくれており、どうにか事なきを得ることが出来ました。逆に犬のほうはこれに味を占めてしまい、一週間後にまた脱走したそうです。しかし今度は家内がすぐに発見し追いかけたのですが、犬のほうは家内を気にしながら一人で散歩を続け、結局一人で(一匹で?)自宅まで戻ってきました。
さすがにこの事態は危険ですので、先程ご紹介したdocomoから発売されている「ペットフィット」という製品を購入してみました。この製品はドコモの回線を利用した犬用のGPSであり、ペットの健康状態や歩行歩数、消費カロリーなどを記録し、万が一脱走した際には3分ごとに位置を飼い主に発信する装置です。リアルタイムでないためすぐに脱走した犬を発見することは難しいかもしれませんが、だいたいの所在地と進行方向が分かるので発見しやすくなるのは事実です。docomoショップで専売されている機器で2万6千円ほどしますので、決して安価ではありませんし、ネットの家電量販店でも扱っていないので値引きもなく、一般家庭では高価な機器となります。
ところがネットのオークションを見てみますと、2万6千円の機器が新品で5000円〜1万円程度で出品されています。私自身正規の価格では高すぎると思ったのですが、さすがに新品がこの値段というのも逆に信じられない気持ちになります。とはいえこういったことはチャレンジですので、オークションで落札してみました。
送られた商品は、ごくごくまともな正規品でした。購入日付をみると先日購入されたばかりの新品のようであり、問題なく使えるようです。いろいろ調べてみるとスマホや携帯電話とで安価な抱き合わせ販売が行われているようで、結果としてこの商品が数多くネットオークションに流れ込んでいるようです。
さて入手したペットフィットを設定しようとしたものの... これが最悪でした。説明書、ならびにホームページ等のインターフェースの分かりにくいこと分かりにくいこと... どこをとってもナゾの塊であり、さらに大笑いな問題も頻発します。
1)リーフレットの記載に誤記がある
同梱されているリーフレットには、iPhone対応アプリがアップルストアからダウンロードできるとあるのですが、現実にはそのようなアプリはありません。開発はしたもののApple社から承認をとれなかったのか、そもそも開発が間に合っていないのかは不明ですが、明らかに記述に誤りがあります。(ホームページ等では、iPhone等はブラウザー経由で利用可能とされているだけです。)
2)docomoIDとペットフィットIDの違いがよくわからない
この製品に登録するためには、ホームページからこの製品のIDとパスコードを入力しなければなりません。しかしそのためには、docomoIDが別途必要であり、この区別とメールアドレスの区別がつけにくいつけにくい...docomoIDの入力後またID入力を求められたためこれを入力したところ、何度やってもエラーになります。よくよく調べてみると、登録ページではペットフィット固有の番号を入力しなければならないのですが、これがどこに書かれているものなのかが不明であり、本当に理解するまでに時間を要しました。
3)docomo製品であるにもかかわらず、ガラケーのimodeに対応していない
どうにかペットフィットIDを見つけて登録したものの、その登録確認のために登録携帯電話にメールが届きます。私はdocomoの製品はガラケーしか持っていないためそれを登録対象としたのですが、ガラケーに送られたメールのURLを開こうとすると、「未承認のサイトで危険性が高い」との警告が出てしまいます。それでも警告を無視してページを開くと、今度は意味のない文字列の山になってしまいます。いろいろ調べてみましたが、結局はガラケーのimodeにこのページは対応していないようです。docomoのサービスが、docomoの携帯で利用できないという矛盾には、本当に笑わされます...(通常のブラウザを使うと、今度は恐ろしいばかりのパケット代を要求されるのでしょうね)
4)登録IDの意味が分かりにくい
ホームページ等で10ユーザまでが一つのペットフィットを扱えるように書かれているのですが、登録できるメールアドレスは二つしかなく、実際にさまざまなサービスを受けるためのパスコードは、メインのメールアドレスにしか送られません。ということは、現実にはペットが脱走した場合、1台の携帯でしか追跡できないのでは...と真剣に考えてしまいました。この辺の説明も本当に分かりにくく、正直よくわかりませんでした。ホームページにもこの製品の利用者レビュー等がなく本当に困りましたが、結局いろいろ試した結果、10ユーザを使えるようにするためにはdocomoIDが10個必要だということのようです。
5)docomoのiPhoneで利用するためには、メールの設定を全部やり直す必要がある
家内がdocomoのiPhoneを利用しているためそこで設定を仕様としたのですが、その設定直後からメールに不具合が発生しました。しらべてみると、ペットフィットを利用するためにはdocomoメールのプログラムそのものを更新する必要があるようです。仕方がないので、メールを更新することに... ところがその後からiOSに影響が出てしまい、iPhone全体の文字表示がすべておかしくなってしまいました。docomoショップで尋ねても、機器の故障とのこと。どう見てもこの更新プログラムが犯人に思えたのですが、どう設定を変えても手も足も出ず、あらゆる画面が文字化けです。docomoショップでも、文字が見えないと対応できないとのことで、3時間待ちの後の対応でしたが早々に匙を投げられました。
その後Appleストアの修理カウンターに行ったところ、5時間待ちだっため当日の修理は諦めることになりました。帰宅後酒を飲みながらいろいろと操作してみると、iOSの新バージョンがダウンロードされているだけで未更新なことを発見しました。であれば、とダメモトでOSの更新をかけてみました。すると嘘のように不具合が直り、現在に至っています。しかしメールのほうがもう一度リセットされてしまったため、再設定が必要になってしまいました。ところが短期間で頻繁にメール等の設定変更を行ったせいか、今度はdocomoIDがロックされてしまい、それも解除設定が必要で... といった具合で、ペットフィットを取り巻く泥沼はいまだに続いています。
このようにペットフィットですが、製品コンセプトはいいものの、実際は問題だらけの製品のように思います。多少ITに詳しい私ですら現在もまだまともに使えていませんし、操作そのものも本当に分かりにくいの一言です。普通のユーザだったらとっくに諦めるだろうな...と思えるぐらい説明書、マニュアル、ホームページ、ソフトウェア対応が酷く、よくこれで製品化し発売したものだと驚かされました。
これから多くのウェアラブルデバイスが登場していくでしょうが、こういった問題は確実に発生する可能性があります。大切なことは素人目線でわかりやすくすることであり、他社の製品に比べてdocomoは相当に対応レベルが低いといわざるをえません。このような事例を教訓に、我々は本当に使いやすい製品を開発するだけでなく、その利用において如何に一般のユーザをサポートしていくべきか、真剣に考えなければならないことを痛感させられた出来事でした。
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・都合により、近日更新いたします。
今週は、どんな一週間なのでしょうか。