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Weekly report
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 November Second week

 またもやAmazonが仕掛けています。

 まずは米国のAmazon.comです。クリスマスシーズンの繁忙期はAmazon.comの配達を担当するUPSやFedExだけでは十分に配達をこなしきれず、これまでも配達日を守れないなどの事故が多発していたようです。特にロサンゼルスやサンフランシスコといった都市圏で大きな問題になっていたようで、この解消方法として今回画期的な方法を試してくるようです。

 その方法とは、なんとタクシーを利用するというもの。大都市圏のタクシーと提携し、同じ地域の商品を10個程度委託し、タクシードライバーは一時間程度で配達を完了すると一個につき$5を受けとるというもの。客待ちをしているよりもはるかに多くの稼ぎを得ることが出来るでしょうし、Amazon側も物量によってタクシー台数を調整できますから物流の柔軟度が上げられる可能性があります。タクシー業界も、利用率の低い日中の稼働率を上げるでしょうし、ドライバーも客待ちで無駄な時間を過ごすよりも収入が増えるのであればのぞましいことのように思います。とはいえ紛失や損傷などにどのように保険をかけるかなど、実際の導入までには解決しなければならない問題は多いようですが、一日も早く実現され日本でも導入されると非常に面白いと思っています。

 もちろんこれより前にAmazonは、Amazon Prime Airというサービスを検討しています。これは小型ヘリコプター(ドローン)によって、各家庭の庭先に商品を届けるというもの。世界各国は航空法上の整備を迫られていますが、北米を中心にこの仕組みもやがては実現されそうな気配です。

 もう一つはAmazon.co.jpの取り組みです。ローソンのLoppiを利用してAmazon商品を注文できるようにし、ネット販売の可能性を高めようとしています。これまでもローソンやファミマの店頭受取をすることは可能でしたが、今後は注文もLoppiを使って行えるようです。一見するとパソコンやスマホでの注文と同じように思えますが、注文はQRコードや画面を使ってだけでなくLoppiに付属する電話機を使い、オペレータとやりとりすることで注文できるのが今回の特徴です。まさに店頭でAmazonの膨大な商品の中から自分の欲しいものを探すことができ、クレジットカードがなくても現金決済で商品が入手できるようになるますので、ネット通販に抵抗のある高齢者層でも注文や受取が可能になります。

 逆にこれを扱うローソンの店頭にはナショナルブランドの商品が並んでいますので、そういった特殊性のある商品を引き取りに来るついでに買い物をしてもらえば、十分チャンスは広がる可能性があります。場合によっては顧客の潜在ニーズを引き渡しの際に調査できますから、今後の品揃え計画に大きなメリットをもたらす可能性も高いと思われます。コンビニで銀行預金が下ろせるようになった現在、Amazonのコンビニ受注・受取は新たなチャンスを生み出すことは間違いありません。

 とはいえこのサービスの実現ために、Amazonは専用のオペレータを常時確保しなければなりませんから、コストはそれなりに発生すると思われます。現状は静岡県のみでのサービスであり、その実験後全国展開をする予定になっているようですが、この取り組みにどのぐらいのコストや稼働がかかるかが勝負です。おそらく24時間365日でサービスを提供するはずですが、どの程度の人員が必要になるか、深夜に人材コストに見合うだけのニーズがあるのか、さらに注文後どのぐらいで商品を引き取りに来るかなど、実際にやってみないと分からないことも数多くあると思われます。

 このように多大なコストをかけてでも、Amazonは様々な仕組みを作ってきます。物流量が少ないと実現できないことも、量が多ければ可能になることも多いでしょう。しかし世界中の商品がネットと使って簡単に手に入る時代が近づくほど、それによって廃れるリアルの店舗のあり方を気にしてしまいます。セレクトショップのように店主が世界中の商品を吟味し集めても、その商品を知ったユーザが二度目以降はAmazonに、という動きは強いでしょうから、そういった店でもリアルの世界で生き残るのは本当に難しいと思います。

 Amazonのサービスの進化は止められなくても、個人商店のサービスの充実は図れるように思いますし、誰がそれを実現するかを、心配と同時に楽しみに待ちたいと思っています。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・原則年内はお休みします。

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。