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 November Third week

 画期的なデバイスが出現したようです。

 開発したのは、東京大学。なんとレーザを使って、直接網膜に画像を送るデバイスです。このデバイスを使ったウェアラブル端末を使えば、まさにドラゴンボールのスカウターと同じ風景の上にコンピュータの情報を表示できるようになります。GoogleグラスやJinsMeMeなどこれまでにもさまざまなデバイスが登場していますが、今後も目を中心としたデバイスから目を離せないようです。

 Googleグラスは眼鏡のツルの部分につけられた表示板を見るデバイスですが、このやり方には一つ問題があります。人間の目は一つの所にしか焦点が合わせられないため、Googleグラスに表示された情報を見ている時は、前方の風景に焦点を合わせることが出来なくなるのです。車の運転中にメールを見ると、メールを読んでいる間は前方の風景に焦点が合いませんから非常に危険です。運転中にナビゲーションを操作して事故を起こすケースが良くありますが、これと同様のことが起きてしまうのがGoogleグラスの弱点といえます。もちろんこれはGoogleグラスだけではなく、視覚を司るウェアラブルデバイスすべてに起きる問題といえます。これを解決しない限り本当のAR(拡張現実)はあり得ませんし、これらのデバイスが劇的に生活を変えることにはなりません。それらを解決すべく現在はコンタクトレンズにこういったデバイス機能を持たせることが研究されていますが、それよりも早く確実にARを実現できそうなのが今回のデバイスになります。

 今回のデバイスは、人間の網膜に直接映像を映します。となると、肉眼で見た風景とコンピュータが提供する情報が同時に網膜に届きますので、コンピュータの情報に焦点を合わせる必要がなくなります。テレビで紅葉の風景を見るように、風景と一緒にその場所の情報や時刻などを認識できるようになりますので、非常に便利と言えます。さらに常にインターネットと人間がつながることになりますので、その可能性は無限です。医師が施術中に患者の血圧や体温をリアルタイムで診ることができるようなりますし、機械を修理しながらマニュアルをめくらずに注意点や修理方法を知ることが出来ます。料理の状態を確認しながらレシピを見ることが出来ますし、買い物をしながらリアルタイムで合計額を確認することが出来ます。試験の際にもカンニングが...と、これはマズイでしょうが、試験の方法は確実に変わるでしょう。

 さらにこの技術がすごいのは、人間の水晶体の機能を使わない点です。水晶体を使って屈折させると、水晶体や関連する筋肉に問題がある人間には使えないものになります。これは近眼や老眼、目の障害を持っている人には使えないことを意味しますので、活用範囲が急速に限られてしまうことになるでしょう。ところが今回のデバイスは網膜を使うため、網膜の機能さえ正常であればどんな画像も写すことが出来ます。さらに極度の禁止である弱視の方や、視界狭窄や視覚が一部欠損している方にでも、残りの網膜に情報を照射できます。もともと健常者よりも目に障害がある方のほうがずっと視覚情報が必要でしょうから、これはその方達にとって大きなメリットがあります。ひょっとするとツルにつけたカメラが撮影した映像を網膜にレーザーで照射できるようになれば、そのときは正常の方と同じように前方の視界を得ることができるようになるかもしれません。

 カメラが撮影した映像を網膜に映せるとすると、管制室などのモニター同様複数のカメラ映像を映すことができるようになるかもしれません。あるいは頭のてっぺんにつけた全方位カメラの映像を映すことが出来るかもしれませんから、首や体をひねらなくても全方位の状況を把握できるようになる可能性もあります。自宅に寝かせている赤ん坊の姿を職場でリアルタイムに確認したり、家事で燃えさかる屋内の情報を遠隔ロボットのカメラを通して確認し、逃げ遅れた人をいち早く見つけることもできるようになるかもしれません。

 このようにウェアラブルコンピュータが発達すればするほど、ビジネスや生活のあり方が劇的に変わっていきます。便利で豊かな社会を作っていくことが、我々ITエンジニアの使命です。こういったデバイスの可能性を常に意識し、よりよい未来を念頭に置いて様々な利用法が考えられることを、心から願っています。

 

 追伸:もうすぐ70,000ヒットです。達成された方、こちらをご参考のうえご連絡を!

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・原則年内はお休みします。

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。