関東地方が梅雨明けしました。平年より少しだけ早い梅雨明けですが、まだまだ天候不順は日は続きそうです。
今年の梅雨は、西日本を中心に記録的大雨をもたらしましたが、昨年の広島のように大きな土砂災害もなかったのは幸いでした。とはいえ連日台風が発生しているように、今年は台風の当たり年のようです。一昨年の大島の土砂災害は10月の台風で起きていますから、ゲリラ豪雨も含めてこういった風水害に対し十分な注意を行いたいと思います。
地球温暖化の影響で、従来とは異なる規模の梅雨や台風が発生します。日本の梅雨は長雨が特徴であり、私の子供の頃は毎日しとしとと降る雨に気が滅入った記憶があります。ところが最近の梅雨は様子を変えており、連日の豪雨と合間の強い日差しの晴れ間が繰り返されます。熱帯のスコールの長時間版とも言える豪雨が続くのが、このところの梅雨の特徴になりつつあります。
今回の梅雨明けで面白いのは、関東甲信越の梅雨明けが関西や四国より先になったことです。通常梅雨は梅雨前線が北上して消えていくことで空けていきますから、通常は九州から順に、南から明けていきます。ところが今回は、九州の梅雨明けの後に台風が連続して到来し、結果として関東甲信越から梅雨明けすることになりました。どうも高気圧の勢力が弱く、台風が東寄りの進路で梅雨前線を北に連れて行ったために、関東甲信越の梅雨明けを向かえました。しかし高気圧の勢力が弱いため西側の気圧が安定せず、梅雨の状態を引っ張ってしまったようです。
このように世界的な温暖化の影響は、気象の傾向も大きく変えていきます。天気予報は過去データの延長で行われるわけですから、過去の延長線上に現在がなければ予測精度は下がります。ひまわりは新型になり衛星画像はキレイになりましたが、過去と異なる気象状況は、天気予報の精度を下げるでしょうし、予測の時間範囲も短くしてしまうのでしょう。これからもゲリラ豪雨や台風など、短時間にものすごい量の雨が降る可能性もありますから、天気予報だけでなくさまざまなセンサーを活用して、地盤の緩みや地面の保水量などを測定し、大きな災害を防いでいかなければなりません。また都市部では、下水の排水能力を超える大雨では、危険地帯についてナビゲーションシステムやスマホなどに詳細情報を送り、車の水没や地下道、地下階の水没や孤立などを防ぐ手段を考えていく必要があるでしょう。
一方、この梅雨の大雨のおかげで、今年は各地の渇水については心配がなくなるかもしれません。梅雨明けからプールやシャワーなど水の利用が急速に増えますから、この多雨は非常に助かります。春先からの天候不順で高騰している野菜にとっても、これからの晴天は恵みになり価格が落ち着くかもしれません。
これからはいよいよ夏本番。今度は熱中症に注意が必要です。こういった気候の変化に伴う様々な災害や事故を防ぐため、我々ITエンジニアはやはりイノベーションを起こしていく役割を強く要求されているように感じます。