盆休みは例年通り、伊豆熱川で過ごしました。
海沿いの谷の上に海潜亭はあるため、標高と朝晩の風で非常に涼しい日々を送ることが出来ました。朝晩の気温は25度前後ですし、なにより湿度が低いのが特徴です。最近の天気予報を見ても思いますが、北海道の内陸部と沖縄ですと、気温差が5度ほどあり、その上北海道のほうが暑いということに驚かされます。伊豆半島も同様であり、海の風と地面の大半が土であること、なにより土地のほとんどが森であることから、ヒートアイランドとはまったく反対の状況です。都会の暑さは深夜も続きますが、こちらは少し寒いぐらいですので、ヒートアイランドの問題をどうにかしなければ40度超えの日々が連続することもそう遠くはないように思われてしまいます。
地球温暖化は、当面止められない問題のように思われます。すべての国が少なくとも先進国レベルに到達するためには、その権利を主張し続けていく可能性が高いからです。かつて自転車王国だった中国も、いまでは自転車の数のほうが少なくなっています。ベトナムのバイクは相変わらずですが、それでも近いうちに車社会になるのでしょう。タイの都市部ははバイクから自動車渋滞の国になっていますが、今後地下鉄が敷設されそれらの緩和に役立ちそうです。こうして多くの国が都市化し、工業化を進めていきます。
今後はアフリカを中心とした戦後復興が始まる可能性が高いのでしょう。これらの国々もやがてはインフラが整い、産業が充実し、都市化が進みます。まだまだ戦争状態の国々も多いので、その道乗りは決して近くはありません。とはいえ徐々に経済は発展していきますし、近代化が進むのでしょう。
となると、世界の温暖化はやはり誰に求められません。しかしその速度を遅らせたり、その影響を小さくする努力は出来ないわけではありません。現在のハイブリッドカーの登録比率は、2015年1月は40%を越えました。従来に比べて同じガソリン量で倍の距離が走れますから、CO2の排出量は半減できることになります。先日お話ししたように、原子力発電が停止してから再生可能エネルギー、ソーラー発電や風力発電等への投資も盛んになっていますから、火力発電が起因するCO2の排出量も、少しずつ減っていくはずです。もちろん企業の生産設備も、極力省力で少CO2排出量の者が選ばれていきますから、徐々にではありますが温暖化傾向を弱めることが出来るとは思うのです。
あとは都市部のヒートアイランドの対策です。透水型舗装にすることで、土の地面のように夜間に熱の放出ができるようになれば、幾分かましになるでしょう。また建物の密閉度の高さが結局蓄熱に繋がり、結果として冷房を使うことで夜間が暑くなる、という事象も、建物の素材や換気方法がきちんと確立していけば、徐々に軽減される可能性も高いと思っています。
私が現在望むのは、夏冬の寒暖差によるエネルギーをどうにかできないか、ということです。より効率よく効果の高い蓄熱方法があれば、夏の暑さを冬の暖気として生かせますし、冬の寒さを夏の冷気として生かせるはずです。江戸時代に氷室というものを発明した日本人は、見事に冬の氷を夏まで保持するテクノロジーを開発しました。となれば、どうようのことを今のテクノロジーを持ってして出来ないことの方が、ずっと不思議に思えるのです。より大きな体積に熱や冷気を蓄積し、その維持にソーラー等のエネルギーを使う。そして一番ピークのシーズンにそれらを利用できるようになれば、地球環境が生む膨大なエネルギーを上手に利用することになると私には思えます。
こういったテクノロジーの出現は、若者のアイディアと無限のシミュレーションを可能とする情報技術が支援すると思います。だからこそ我々は、ぶれない未来を見据えて、技術を磨き続けなければなりません。