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Weekly report

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 October First week

  光陰ロケットのごとし、と思う日々ですが、いよいよ10月に入りました。今年は残暑らしい残暑がなかったため、本当に足早に秋が到来したような感じがします。

 さて 本日10月1日は、さまざまな企業の内定式でした。しかし30日から台風24号の影響のために内定者が東京に集まることが難しくなり、急遽中止あるいは延期する企業が続出したようです。 私の会社ITアシストも数多くの企業の新人研修を請け負っている関係で、内定式についても一部内容を担当していたりします。うちの担当者も金曜日はその対応で一日終われていましたし、土曜日、あるいは日曜日に判断するという企業もあり週末は休めない状況のようです。

 内定式は企業にとって、内定者の最終的な意志を確認する場でもあります。就職氷河期と言われた数年前までは買い手の企業側に有利な状況が続いていました。内定を得ることそのものが難しく、就職浪人も数多くでたのがこの時期でした。しかしこの数年は状況が逆転し、完全に売り手市場になっています。学生にとって内定を取り付けることは難しくなく、数多くの内定を取ってより有利な企業に就職できるようになったのです。その反面企業側は希望する人材を確保することが難しく、採用レベルを下げたり内定者の数を増やさざるを得なくなります。そうしないと内定を出していてもかかわらず、就職を辞退する学生が多くなると採用人数に大幅な不足を生んでしまうためです。

 その意思の確認を行うのが、この内定式の目的のようです。ここに参加した学生はほぼ就職を希望してくれますし、採用の人数も確定できることになります。学生はこれでよほどのことがない限り内定取り消しのような事態がなくなり、双方にメリットが生まれます。しかし今回、台風の影響でこの内定式の実行が難しくなってしまいました。企業側は内定者の意志を確認することが難しくなりますし、内定者側は自身の身分の確認が難しくなります。両者とも非常に焦るでしょうが、今回のように自然災害が原因ではどうにもなりません。

 台風は30日の午前中に九州に上陸し、17時時点で四国に上陸しています。これに備え、通過ルートに当たる西日本の公共交通機関は運転の見合わせを発表しました。首都圏は夜半まで影響がありませんでしたが、首都圏以外の東日本は月曜日にかけて警戒が必要となります。この数年の台風、とくに今年の台風は各地に大きな被害をもたらしました。交通機関も数多く被害を受けましたし、まだ完全に復旧していない箇所も数多く残っています。今回は週末のため意思決定が早くできましたが、被害が発生する前に交通機関を止めるのは合理的といえますし、二次災害を防ぐためにも必要な措置と思います。しかしその影響によって、今回のように日本全体に関わるイベントに支障がでるのはどうかと考えてしまいますし、今後のことも含めて対応を再度考え直す必要があるのでしょう。

 内定式のようなセレモニーは、やはり今後は見直さざるを得ないでしょう。内定式に出席しなくても内定や採用に影響が出ることはありませんから、最終的な意思確認に過ぎません。となると、ネットを使った仕組みでも代替できると考えますし、交通費や宿泊費、万が一の事故を考えるとコスト的にも望ましいように思います。セレモニーはあっても良いと思うのですが、それは入社式で良いと思われます。海外の企業や中途採用を考えると、セレモニーそのものの事実は形骸化していますから、それもこの際見直した方が良いのかもしれません。大切なことは雇用関係の成立をさせることであり、それは法に則って当事者間できちんとした形で行えば良いだけで、セレモニーとの関係は薄いように思われます。内定者教育など入社後の技術力向上の催しも、Web等を使った方法に変えるべきでしょう。学生生活と両立させるためには、時間的・期間的余裕が必要ですし、その意味でもWebのほうが望ましいように思います。

 交通機関は関連する法規を整備し、台風の予想に沿って運行停止等を命ずべきとも思います。そしてその決定に従って平日などは台風到来前に帰宅を促す、あるいは通勤を禁ずる法律を整備すべきと思います。その分住民としてのつとめを果たし、地域の防災や復興のボランティアに当てるようにすれば、有給や欠勤などの問題も解決できるように思います。災害時は企業ではなく個人として地元の活動に関与できれば、被災地の被害度合いを軽減できることも期待できるからです。もちろんライフラインとなるべき企業はその対象から外し、優先的に活動できるよう道路等を使わせるべきと思います。

 このように国、企業、個人とも、これまでの常識としてきた習慣を改め、あたらな時代の仕組みを作る時期が到来しているように感じます。個々人の幸福を追求することは大切ですが、地域や国のレベルでよりよい仕組みを作ることももっと大切なように思います。阪神大震災や東日本大震災のように、新しい時代におきる災害は従来の枠組みでは対応出来ません。災害の規模は変わらなくても社会構造が変わっている今だからこそ、我々は一つ一つの仕組みを見直し、より多くの人々がいかなる事態においても幸福を享受できる仕組みを作り出さなければなりません。