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 July Third week

 はやもく7月に入ってから三度目のWeekly Reportです。

 7月に入っても梅雨寒が続き、毎日の雨天・曇天が厳しく感じられる毎日です。日中でも25℃に届かない日が一週間ほど続いていますし、夜に至っては20℃を切ることもしばしばです。これならばまだ5月のほうが温かかったと思えるほど不順な天候であり、1日も早く梅雨が明けることを祈るばかりです。

 この長雨によって土壌が緩み、土砂崩れ等の災害が各地で発生しています。日照時間は平年の1/10程度のようですから、野菜の生育もはかどりません。海潜亭では例年この時期から食べきれないほどの野菜の収穫が始まるのですが、今年はまだまだ生育が遅かったり、寒さで枯れてしまう苗も発生しています。天気のことですから仕方が無いですし、暑ければ暑いで文句を言いたくなるのですが、さすがにこの状況が続くと日照を願いたくなります。

 この異常気象は世界中に影響しているようであり、ロシアの異常高温、欧州とインドの異常熱波、ギリシアや中国では暴風雨、ブラジルでは大寒波などが起きているようです。原因は地球温暖化であることは間違いなく、この状況は今後も続くことが予想されています。

 先日気象庁は、2100年の気象予想映像を公開しました。2100年までに年間の平均温度上昇が4.5℃を越えた場合、日本は真夏は40℃以上となり、熱中症等で多くの死者が出ることが予想されているようです。作物も熱の被害で十分には生育せず、食料難が予想されます。台風はスーパー台風となり、家屋の倒壊も起こす平均60m程度の暴風となるようですから、危機的な状況です。反面真冬の平均気温も20℃〜25℃ぐらいになり、雪はおろか作物も大ダメージを受けることが予想されています。

 米国のように、自国の短期的な経済利益を追求し地球温暖化対策をやめてしまうと、気象庁のシナリオは現実になります。今後アジアからアフリカの貧困国が豊かになっていく過程で、中国同様一切の環境対策を無視した経済成長が予想されるため、この影響は幾何級数的に大きくなっていきます。最先進国である米国が地球温暖化対策を行わず自国が豊かになることだけを追求したのですから、それ以降に続く国々にとって恰好の口実が生まれたことになります。地球がどうなろうと富裕層は莫大な資金によって豊かな生活が保障されると信じている大統領が、どれだけ大きな被害を世界にもたらしているかを想像する力など持ち合わせていないのでしょう。

 米中の貿易戦争は、同時に大国による身勝手がどこまで許されるかを世界に問う戦争のように思います。どちらが勝者であれ、力を持った国の身勝手な正義がまかり通り、結果として地球全体が危機になってもその責任は他国に押しつけるという構図は変わりそうもありません。日本の政府もほぼ同じような考え方ですから、これを劇的に変えるのは難しいのかもしれません。

 我々にできることは、ちょっとでも身の回りのことを気をつけるだけなのかもしれません。節電を心掛け、自動車の利用を控え、エネルギー効率の良い機器や設備に交換していく。たったそれだけのことでも、地球全体を考えると大きな意味があるように思いますし、少しでも地球温暖化が緩まるのであれば意味はあるように思います。同時に企業も、盛夏の営業活動を考え直すべきでしょう。暑いからクーラーを効かせて、という循環をくり返せば温暖化は加速します。昔のように18時になったらビルの空調を強制的に停止し、それ以降は代謝を促すような施策も意味があると思いますし、暑さのましなサテライトオフィスでの勤務も本格的に検討すべきです。

 伊豆もそうですが、多くの企業がうち捨てた保養所やホテルが各地に沢山存在します。それをリノベーションし、夏の間だけでもサテライトオフィスとして活用すれば、ヒートアイランドの都会を抜けることになります。田舎の夜は基本的に空調がなくても過ごせますし、週末は自然豊かな場所で休日を楽しめます。温暖化だけでなくストレスも発散されますから、暑いオフィスに閉じ込めて仕事をするより、様々な意味でメリットがあるようにおもえるのです。さらに夏の間だけでも住民が増えれば、田舎の経済効果も高まりますし、税収によって自治体もさまざまな活動が可能になります。こういった努力を本気で考えるべきタイミングに、日本も来ているように思いますし、実行することに意味は充分あるように私には思えます。

 地球温暖化を理念とすることなく、具体的な努力に変えるべきタイミングが訪れています。企業の経営者が発想を変えて、こういったシステムを運用することを心から願いたいと思いますし、それを実現するための施策を、私も少しずつ考えていこうと思っています。