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 May Second week

 二週間ぶりのWeekly Reportです。ゴールデンウィークはいろいろ多忙であり、更新ができなかったことをお詫びします。

 さてゴールデンウィーク明けに解除されるはずだった緊急事態宣言ですが、予想通り主要都県を中心に5月末まで延長されることになりました。しかしながら国民全体の自粛体制の中で、今年のゴールデンウィークは異様な姿で終了することになりました。

 例年ゴールデンウィークの風物詩である高速道路の渋滞ですが、今年はまったくありませんでした。県をまたがっての移動自粛が強く求められたため、帰省や観光などさまざまな人の移動が起きなかったようです。もちろん新幹線や鉄道の混雑もありませんでしたし、空港での出入国ラッシュも発生しませんでした。どこの観光地も観光施設を閉めたり駐車場を閉鎖したりすることで、観光客を基本的に受け入れない体制となりました。ホテル等も営業を自粛したところが多く、熱川界隈の温泉街も完全に閉鎖されていました。ゴールデンウィークは年間で一番の稼ぎ時のはずですが、この収入がないことが後々全国の観光施設の衰退に繋がるであろう事を実感させられる風景でした。

 しかしながら市中のスーパーや商店街の人出は多く、外出できない家族がこぞって生活必需品の買い物に出かける風景が見られたようです。自宅にこもりっきりというのもしんどいですから気持ちは分かりますが、それでもスーパーが三密の状態になるのであれば自粛も余り意味が無いように感じた方も多かったように思います。自粛に従わないパチンコ店もあり、県外から客が押し寄せて行列を作る風景も見られました。罰則のない自粛ですから仕方ないのですが、そこで感染が広がった場合の周りの迷惑を想像できない大人が多いと言うことを痛感させられました。反対に行列に対して大声で非難する人間も現れ、大声でつばをまき散らす騒ぎになりました。

 この風景を見ると、私には両者とも同じ心理が働いているように思えました。パチンコ店に並ぶ人間は、自分は気をつけているし、自分が多少動いてもそんなに問題がないだろうという根拠のない考えに基づいています。しかしこれを大声で非難する人間(自粛警察というようですが)も、「自分は正しい」のだから声高に正しいことを要求しても問題ないだろうという同じく根拠のない考えに基づいています。結局は両者とも周囲を考えない身勝手であり、自身のストレスを自分の勝手な行動で解消しているだけです。戦争においてヒステリックになる自警団と同様であり、こういった人間が一定数発生してしまうのも、こういった災害の特徴のように思われます。

 しかし自粛の影響はさまざまな面で発生しており、いよいよ経済がどのようになっていくかが心配されます。私の予想通りとうとうテレビ放送も成立しなくなり、4月開始のドラマは軒並み延期になりました。バラエティも過去の再放送ばかりですし、スポーツ中継は過去の名試合以外は放映されていません。ニュース番組の収録もスタッフが揃わないようであり、ネットでつないだ画面を並べる番組も増えたように思います。極端なのはzoomなどのネットワーク会議システムをつかった番組製作であり、これしか仕方が無いとはいえよくもスポンサーを付けてこれだけ実験的な番組を放映していると感心させられてしまいました。

 Amazonの品不足も深刻であり、多くの書籍が欠品となっています。これまではビデオ会議などに必要な物品が不足していましたが、一般的な書籍にもその影響が及んでいます。通常であればすぐに増刷となるのでしょうが、この自粛によって出版社も機能を停止しているのでしょうし、印刷工場や製本工場もまともに稼働できず結局欠品の山となるようです。今後もとの状態に戻るにも数ヶ月はかかりそうですし、休止していた中小工場が再開できるのかも本当に不安な状況です。

 こうして考えてみると、やはり全世界で感染が治まるのは早くて今年の後半のように思います。封じ込めを成功させたと言われた韓国でも、週末新たにクラスターが発生し患者数が急増しているようですので、一端患者数が減っても自粛の動きが弱くなれば感染は広がることは避けられません。効果的なワクチンや治療薬ができるのは来年になりそうですし、高温多湿も新型コロナウイルスの活動にはあまり意味はないようですから今後患者が激減することは望み薄です。さまざまな薬の発見により重篤な状態を回避する治療法は徐々に確立されるのでしょうが、感染そのものを押さえるのは難しいでしょう。これから夏に向けてクーラーが使われるようになると、冷やされた空気が建物内を循環するようになるでしょうし、その人間が移動すればやはりこれまで同様の感染拡大が起きると思うからです。

 いよいよ我々は、世界大戦のあとの新しい世界のあり方を考える時期に来たようです。これまでの平和を懐かしむのではなく、再び広がるであろう目に見えない敵との戦いを念頭に置いて新しい世の中を作るべきです。既存のビジネスは一端大きく衰退するでしょうが、その後に生まれる新しいビジネスが世界を劇的に変える可能性が出始めています。そのヒントを、私も少しずつ考えはじめています。