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Weekly report

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 November First week

 早くも11月に入りました。徐々に色づく紅葉を毎日見れるのは、With コロナのおかげというべきなのでしょうか。

 さて10月末に、各社が中間決算結果と今期の業績見通しを発表しました。日本航空は2020年度の最終予想を2400〜2700億円という巨額の赤字になることを予想しているようです。ANAはリーマンショック時の赤字である573億円を遙かに上回る5100億円の赤字を予想していますから、国内の航空会社は壊滅的な業績になる見込みです。

 JRについては、東日本が最終損益で4200億円、西日本が2400億円、東海が1900億円のそれぞれ赤字を予想しています。新型コロナウイルスが収束するまで業績を戻すことは難しいですが、Webを利用した在宅勤務という新しいビジネスの習慣が生まれてしまった以上、通勤や出張といった需要が元に戻ることはないというのがJR東日本の予想です。となると、JRグループのみならず、私鉄も含めた鉄道会社すべての業績が今後悪化し元通りには回復できない予想が強くなります。

 その他の産業では、ディズニーランド、ディズニーシーを擁するオリエンタルランドは、上場以来初めての500億円ほどの赤字を予想しています。日立金属はグループ全体の1割に当たる3200人のリストラを今年度中に計画しています。そのほかにも、多くのメーカーが生産量の減少に伴うリストラ等を発表していますから、いよいよ新型コロナウイルスの影響が企業成績に重くのしかかってきたようです。

 以前も申し上げたとおり、昭和のビジネスの習慣が新型コロナウイルスによって大きく変わってしまったのは事実ですし、新型コロナウイルス以前の社会に戻ることはありえないでしょう。むしろこれから数年は新しい常識探しが始まり、予想外の業種や企業に大きな影響が生まれることは間違いありません。

 ビジネスの側面だけを考えても、スーツの必然性はますます下がることが予想されます。事実一番スーツを購入しているのは全国の就活生や新入社員でしょうし、彼らにスーツが必要なくなればスーツを生産、販売する企業は大きな打撃を受けると思われます。同時にシャツやネクタイもなくなっていくでしょうし、革靴の需要も減ると思われます。ビジネスで使われるバッグの需要も落ちるでしょうし、ベルトなども影響があるかもしれません。

 オフィスの観点では、様々な事務機や什器の需要も減っていくと思われます。オフィスそのものの必要性が下がっていきますから、全社員分の机や椅子、ロッカー等の購入や入れ替えがなくなっていきます。文具や容姿類の需要も下がるでしょうし、コーヒーベンダーなどの需要も減っていくでしょう。オフィス管理の作業も減るでしょうから、清掃業者やメンテナンス業者にも影響が出ると思われます。

 情報システムの観点でも、オフィスに集まって行う上で必要なネットワーク機器の需要は減っていくと思われますし、アプリケーションシステムのあり方も変わっていくように思われます。やはり基本はクラウド化により誰もがどこからでもアクセスできる仕組みになっていくでしょうし、個人のでーた保存もでバイスからネットに変わっていくように思います。

 逆に在宅勤務やサテライトオフィスに関する様々な機器や物品、サービスの需要は上がっていくと思います。インターネットカフェのようなシェアオフィスがどんどん増えるでしょうし、そこでのセキュリティを高める仕組みや装置の需要は高まっていくように思われます。またさまざまな指示や連絡を便利にするソフトウェアやサービスが必要になるでしょうし、仕事をサポートするような様々な機器の発達も待たれます。

 このようにこれまでの習慣が変わり、新しいビジネス習慣が生まれていきます。その姿はまだまだ誰にもわかりませんが、この数年はさまざまな変化が訪れます。大切なことはその変化を予測し、それらにあった製品やサービスを生み出していくことです。既存の商材にとらわれず、本当に必要な機能やサービスは何か、それを実現するためにどのようなステップが必要かを考えていけば、必ずやこの苦しい状況を乗り越えられる企業が増えていくと私は信じています。どれだけの企業がそれに気づき、そこに向かった努力を始めるかが、日本再生のヒントになるように私は考えます。