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Weekly report

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 February Third week

 土曜日の晩、大きな地震がありました。

 奇しくも10年前の東日本大震災と同じ時期に、宮城県沖を震源とするマグニチュード7の地震が起きました。その被害は未曾有の甚大さであり、多くの方の命を奪うことになりました。10年たった今も行方不明の方はいらっしゃいますし、その地を追われた方もたくさんいらっしゃいます。原子力発電所の事故で未だに多くの方が住めない地域もありますし、増え続ける放射能汚染水の処理も、一向に進んでいません。津波で流された街は少しずつ復興していますが、もとの町並みに戻ることもなく、賑わいも消えてしまっています。東北の復興はまだ道半ばであり、東京オリンピックなどによって世界の注目を再びよい意味で集め、もとの住みやすい街に復興を図ろうと多くの方が頑張っていらっしゃいます。

 しかしその希望を折るがごとく、今回の大きな地震が発生しました。今回の地震も東北沖であり、10年前の東日本大震災の余震とみられます。一晩明けた日曜日には各地の被害が明らかになりましたが、幸い津波もなく、人的被害は少なくすみました。しかしその揺れの大きさから各地の交通網に大きな被害が出ており、受験生などに多大なる負担をかける結果となりました。特に鉄道は線路の送電線に大きな被害が発生しており、東北新幹線、山形新幹線、秋田新幹線などが軒並み復旧のため運休となっています。

 高速道路などの幹線道路も土砂崩れで止まってしまい、復旧までに時間がかかります。迂回路はあっても時間がかかるため、新幹線の代わりにバスを使う方にとっても非常に厳しい状況です。家屋の倒壊等は少なくとも食器や什器の被害は大きかったようですから、東日本大震災以来やっと軌道に乗ってきた様々な店舗が、またもや元通りの状態に戻ってしまったところも多いようです。まだまだ余震は続きそうですから、いつになったら本格的に復旧できるのか、今回復旧してもまた同じ状況になるのではという危惧が頭から離れないように思います。

 しかし今回の一番の問題は、新型コロナウイルスの影響下のおける大災害です。このページでも昔からご指摘していますが、地震と台風が同時に発生するといった複合型の大災害が起きる可能性は低くありません。これまでは大きな問題はなかったものの、今回は新型コロナウイルスという長期にわたる災害の中で発生した大地震ですので初めてノケースカもしれません。しかしながら新型コロナウイルスの感染者の少ない東北の上今回は津波がなかったため土砂崩れ等を恐れた方の避難だけでしたから、クラスターの発生等は起きませんでした。これは正直不幸中の幸いとしかいいようがありません。

 新型コロナウイルスが終息する前に首都直下地震や東南海地震など首都圏に大きな影響が発生する地震が起きた場合、その被害は予想を軽く超えることになります。建物の倒壊やさまざまな物の落下などで多くの方がけがをするでしょうし、やけどなども相当数発生します。その患者の一部に新柄コロナウイルスの感染者がいただけで、病院がクラスターになります。避難所や支援物資の支給所などでもクラスターが発生する可能性がありますし、病院がそれらの患者を受け入れることは不可能でしょう。それどころか医療関係者の数も全く不足してしまい、諸外国からの医療支援も受けられなくなる可能性も多分にあります。こういった不吉なことを想像したくはありませんが、絶対に起きない保証はありません。それがオリンピック期間の最中に起きたと考えると...想像を絶する悲惨な状況が目に浮かびます。

 このように考えると、地震に対するさまざまな備えをするだけでなく、この状況下においてオリンピックを開催しようとすることがどれだけ恐ろしいことなのかを我々は想像しなければなりません。絶対起きないと決めるのではく、起きる可能性があるからこそ具体的に何を行い、何をすべきでないのかを、今まさに我々は考えなければなりません。