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Weekly report

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 July Third week

 還暦を迎えましたが、 先週も申し上げたとおり体調不良が続きます。この週末も熱を出してしまい、この暑さの中長袖長ズボンで震えておりました。週明けの今日はどうにか元に戻ったため更新を行っていますが、更新が途切れ途切れになること、心よりお詫び申し上げます。

 さて、いよいよこの週末からオリンピックが始まります。無観客とはいえ人流は動くでしょうし、1週間前になっても各国の選手団、関係者から新型コロナウイルスが発生しております。空港や選手村、会場までの導線は国民と分けると言っているにもかかわらず、空港では一般客と混じってしまっている状況も発生しており、隔離はうまくいかないと思われます。これから開会式で日本の出演者とオリンピック選手、関係者が接触する機会も増えますし、いよいよ世界の変異種のシャッフルが始まります。何も起きない事を心から願っておりますが、私の専門であるリスクマネジメントの観点から申し上げれば何かが起きないことはありえないので、重篤化しないことだけを願うだけです。

 市中の感染状況は拡大の一途であり、この週末は日曜美であっても感染者が1000名を超えました。心かる方はこの二週間を極力都内に出ないなどの方法で耐えるでしょうが、若者を中心に普通の生活が戻ってきており、政府がどう怒鳴ろうと感染は拡大します。医療崩壊の対応策もほぼ打たれていない現状を考えると、これから始まる帰省シーズンで日本全国に変異種がばらまかれる可能性は低くないでしょう。首都圏はともかく、人口流出と高齢化が進む道府県では医療体制も限界を迎えるでしょうし、昨年前半のような死者数が出ることは避けられないかもしれません。高齢者施設でなくても田舎は高齢者集団ですから、スーパーをベース二クラスターが発生すれば確実に医療は崩壊します。

 首都圏をのぞく道府県の限られた予算では、万全な対応など不可能でしょう。そうなると新型コロナ患者が激増してからの対応ですから、沈静化までに相当な時間がかかります。オリンピックにかまけた政府は新型コロナ等を全国的に管轄するCCD(疾病対策センター)などの組織もできていませんから、これから冬にかけて泥縄式の対応を続くでしょう。とはいってもオリンピックが終わった今、政府としては高齢者を中心とした国民が感染で倒れ命を失った方が、医療や福祉予算等が楽になると考えているように思われてなりません。

 従前から申し上げているとおり、今後は政府や政治家、高級官僚は責任逃れに終始するのでしょう。このような事態は予見できなかった、私には対応する権限も責任もなかった、個人的にはオリンピックは中止すべきと言ってきたし、それをごり押ししたのは国民の世論だ、などといった妄言や世迷い言がメディアにあふれることは想像に難くありません。

 実際の問題として、これだけ疲弊した経済をどのように立て直すのか、具体的方策をもった政治家も官僚も存在しない気がします。バブル崩壊以来なにも対応はできませんでしたし、このところの景気もすべて、神風頼りです。海外旅行者によるインバウンド需要やオリンピック景気などの神風でどうにかここまで持ったものの、具体的方策をもって経済対策を一度たりとも行ってこなかったように思います。

 飲食店や食品扱う関連産業、レジャー産業や宿泊産業、交通インフラを支えるさまざまな産業が、新型コロナによって傷んでしまっています。国民は日に日に貧乏になっていますし、高齢者の預貯金も徐々に減少していきます。昨年税収が増えたのは単に消費税を上げるという国民の財布を絞り上げただけですし、今後は閉店支援機や福祉コストが激増しますから支出が急増するでしょう。収入と支出のバランスが狂っていますし、経済が復活しない限りこのアンバランスはどんどんひどくなります。最悪は国庫破綻であり、可能性はゼロではありません。

 日本は日本経済だけで回りません。世界をベースに経済を考え、需給バランスを整えなければなりません。かつては車や電化製品が外貨を獲得する手段でしたが、それに変わる新しい価値を我々は生み出していかなければならないのです。決め手は誰もが知っている、ITです。Amazonの荷物を見かけない日はありませんし、Uber Eatsのカバンを見ない日もないでしょう。国や様々な企業のシステムはSalesforceや海外製ERPパッケージシステムで運用されているのですから、ITを使わない日はありません。ただし問題は、そのすべてが海外製ということです。そこに気づき、それにかわる新しいサービスを我々は生み出さなければなりませんし、海外に輸出していかなければならないのです。

 面白い物を考えられる、面白い物を作れる若者の出現を、私は心から願っています。さらにその若者の出現を助けることに、私の余生を使っていきたいと思っています。