どうにか無事に、パラリンピックが
終了しました。選手は本当に頑張って過去最高のメダル数になりましたが、世間の盛り上がりはやはり今ひとつだったように思います。
新型コロナウイルスのワクチン接種が本格化し、国民の半分程度に接種が完了しました。しかし同時に世界中で変異種が生まれ、日本にも次々と流入しています。現在感染拡大しているデルタ種は感染力が強いようですが、その他のウイルスも今後どのような変異を経ていくかはわかりませんし、効果的な治療薬が見つかるまでは強毒化しないことを願うのみです。
私はファイザー社製のワクチンを打ちましたが、世界の変異種の発生によってその効果は日に日に下がっているように思います。また持続期間もどんどん短くなっているという研究結果が世界中で発表されていますし、接種者のブレークスルー感染も多く発生しています。私の予想通りこの状況は本年度中は確実に続きますし、来年以降の状況も不透明です。ワクチン会社は空前の利益を上げることだけは明確ですが、本当の意味で新型コロナウイルス蔓延前の社会に戻るには、まだまだ時間がかかりそうな気配です。
これまでの世界大戦においても、戦争により多くの人が失われ社会や文化、コミュニケーションのあり方が大きく変わることは事実のようです。もちろん戦後の大きなトレンドが社会を変えることも間違いありません。となると、この数年続くであろう状況が社会の常識を変えると同時に、人やコミュニケーションのあり方が大きく変わる可能性があります。
ビジネスにおいては、昭和の常識が新型コロナウイルスによって激変しました。定時出社やオフィスでの集合業務、対面折衝や通勤、出張や研修など、直接対面が基本であったビジネスはネットを中心としたビジネスに変革しました。となると対面や集合を前提としていた業務形態やマネジメントは成立しなくなりますし、労働集約型の業務のあり方も変わります。在宅勤務を前提とした場合、自宅で一日中仕事をする環境が必要となりますし、休憩や家族とのコミュニケーション時間が相対的に増えます。息抜きのあり方も変わりますし、成果の評価も大きく変わるでしょう。そこに戸惑う管理者も多いでしょうし、自宅での仕事のやり方を悩むビジネスパーソンも非常に多いと思います。
もちろん昨年と今年の新人は、対面でビジネスを教えられる機会は減りますし、見て覚える仕事のあり方を体得することはできません。ビジネスパーソンとして必要となるコミュニケーション力もつきませんし、先輩と帯同してという行動もとれないため仕事を覚えることが難しくなります。先輩後輩や仲間とのつながりも不安定になりますし、学生の延長で給料をもらうような感覚になるでしょう。とはいえこのまま仕事を継続しても自らのプロフェッショナルとしての成長はよくわかりませんし、その不安を相談する機会も得られないように思います。
これが今後のビジネスにどのような影響を与えるか、誰にもわかりません。しかし確実に影響することだけは、誰もがわかっていることです。となると、この変革をよい方に向けるため、実際のビジネス経験がある人間が真剣に考えて、どのような業務のあり方を理想とするか、そのために現状をどう変えるべきか、マネジメントのあり方はどのようにすべきかを、本気で考えるタイミングが今訪れているように思います。
諸外国は、この変化を上手に変革につなげ、5%以上の経済成長につなげています。日本は相変わらず2%にも満たないのですから、没落は今後も続くでしょう。しかしアジアの最貧国になるまでは、まだもう少しの猶予があります。だからこそ、今我々はこの先の25年を考え、新しいビジネスと社会のあり方を考えなければならないと私は考えています。