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Weekly report

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 February Second week

 北京オリンピックが開催され、世界中の観客が各国の選手を応援している中、ウクライナ情勢がかなりきな臭くなっています。

 元ロシア領の一部であったウクライナは、ソ連崩壊とともに独立を果たしました。ロシアの西に位置ずくこの国の西側はポーランドやルーマニアといったNATO諸国が構えており、ロシアとの緩衝地帯になっていました。しかしソ連からの独立以降西側に接近したウクライナは、ロシアにとっては隣国にNATO勢力が位置ずくことから警戒され、今日のような緊張状態が続いています。ウクライナ内には親ロシア勢力も依然として力をもっているため、それらを使って再度の併合を図りたいというのがロシアの考え方でしょうし、最悪でも現状のようにNATOに属せず緩衝地帯としての機能を果たさせたいというのが本音でしょう。

 私が危惧するのは、この時期の危機と言うことです。現在北京では冬季オリンピックが開催されており、世界中の選手が集まっています。とはいえ今回は冬季オリンピックですから、どうしても北側の国が多くなります。となるとそれはヨーロッパの国々であり、そこから多くの選手団が北京を訪れています。中国とロシアは政治的に近い関係にありますから、ロシアはメンツを重んじる中国に対して配慮を行うでしょう。つまりオリンピック期間中にウクライナに攻め入ることがないと思います。しかし北京オリンピックの閉会式は20日ですから、21日に侵攻が始まる可能性があります。

 となった場合、ヨーロッパは一気に緊張状態になるでしょうし、北京に滞在するヨーロッパの選手、特に東欧の選手は自国に戻りにくくなるでしょう。当然侵攻となると航空攻撃もあるでしょうから、旅客機への誤射等は非常に危険です。となると、中国は安全を名目に、ヨーロッパへの帰国便の足止めを図るかもしれませんし、その足止めは侵攻が落ち着くまでという可能性も出てきます。

 現在世界できな臭い地域は、ウクライナと台湾情勢です。つまり中国は台湾への侵攻を匂わせており、台湾もその防衛を軍事的・政治的に強めています。米国は台湾との国交はありませんが、このところ中国への牽制をあきらかにしており、台湾を支持する声明をいくつか発しています。とはいえ今回米国はウクライナ近隣諸国への派兵を強めていますから、軍事的な焦点はウクライナに向かっています。

 この状況で台湾への侵攻が始まった場合、米国は二カ所への派兵を行わなければならず非常に難しい状況となります。さらに米国に近いヨーロッパの国々の選手が北京にいる以上、中国は人質を取ったも同然であり、台湾侵攻が始まっても米国は中国に対し強硬な策を打ちにくいというのが現状の姿です。

 さらに地理的に考えても、中国本土から台湾への距離と、台湾から与那国島、竹富島、石垣島の距離はほぼ一緒です。沖縄本島から石垣島を考えても、台湾から約二倍の距離があり、台湾を守るためにはこれらの島々へ侵攻した方が、沖縄の米軍を牽制できることになります。石垣島の北には尖閣諸島もあるため、太平洋への航路を確保するためにも、これらの島々を一緒に占領した方が中国のメリットは大きいといえます。

 このように今回のオリンピックの裏には、非常に危険な国同士の火種が隠れていますし、そこに火がつくと日本にも大きな影響が発生する可能性があります。米軍が台湾侵攻に軍事的反撃を行うと、沖縄の米軍基地や自衛隊基地が反撃される可能性もありますし、石垣の空港も占拠される可能性があることを我々は忘れてはなりません。

 このような妄想が現実とならないことを心から願っていますが、我々の隣にも戦争の影が忍び寄っていることを我々は真剣に考えなければなりません。