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Weekly report

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 February First week

 オミクロン株の感染拡大が続いています。先週は全国で一日10万人弱の感染者数となっていますし、各都道府県で新規感染者数を拡大させています。病院の病床も徐々に徐々に埋まりつつありますし、重症者や死者数も増えている状況です。ワクチンの三回目接種も遅々として進まず、効果的な治療薬もまだまだ研究段階です。今回のオミクロン株が最後の流行であればよいのですが、残念ながら今後も新種のウイルスが出現するでしょうし、これまで以上の感染力と強毒性をもった新種の出現も考えられます。まだ余力のある内にさまざまな対策を講じるべきですが、国も自治体もこの状況が治まることを待つのみで積極的な対策を打てていないのが現状です。

 さて久しぶりに本来のITの話題ですが、先日Facebook有するMetaの株価が暴落しました。昨年度末の決算結果がはかばかしくなく、売上は上がったものの営業利益は下がりました。IT最大手のGoogleはこの状況でも過去最高益ですから、Metaの成績はある意味目立ってしまったようです。早急なメディアはSNSの終焉とメタバースの失敗を騒ぎ立てますが、それが本質とは異なると思います。

 Facebookという名称を捨ててまで、Metaはメタバースにかけています。しかしその投資額は莫大であり、利益を圧迫することになりました。反面メタバースの素晴らしさが一般に行き渡っているわけではなく、現状は仮想空間をアバターで行き来する単なるCGの世界になってしまっています。しかしコミュニケーションの本質をついてきたザッカーバーグのことですから、この先の可能性が高いことを信じていると思います。私も仮想空間でのコミュニケーションは重要と考えていますし、レジャーよりもビジネスの世界での可能性を強く感じています。ZoomやTeamsのような二次元のコミュニケーションはリアルのコミュニケーションに比べあまりに制約が多いですし、表情は見えるもののまだまだ会話のコミュニケーションに限られます。1対多の接続は可能になったものの、現実は一昔前のテレビ電話とたいした変わりはありません。

 しかし仮想空間におけるコミュニケーションは、人類が夢見たもののまだまだ現実にはなっていないコミュニケーションです。ゲームの主人公を動かすのではなく、自らがその世界に入ってコミュニケーションや行動が行える素晴らしさは、体験してないからこそ理解出来ない人が多いように思うのです。となるとメタバースがまだまだ実現されていない現状では、その素晴らしさは評価できないでしょうし、技術的にも未熟な現状では失敗のように思えるのは仕方がないように思います。さらにメタバースを実現するためには、テキストを基本とするFacebookや短時間動画のインスタグラムのような設備では、とても対応出来ません。となると、高速処理のできるサーバとメモリー空間を莫大に用意する必要がありますから、投資額も相当になります。さらに会員数が増える、サービスを充実するとこの投資は飛躍的に必要となりますから、当面の業績を悪化させることは仕方がないように思います。

 もちろんメタバース側の考え方にも、問題があると思います。現状は任天堂のアバターのような画像でMetaユニバースで活動することになりますが、これではゲームの延長のコミュニケーションしか生まれないでしょう。少しでも早く映画のマトリックスのようなリアルな世界を実現しないと、やはりゲームの世界だけのコミュニケーションになってしまいますから飽きられますし利用範囲も狭まってしまいます。

 人間の想像力は無限ですが、新しいテクノロジーやサービスに慣れる力も非常に高いです。現状のチープな仮想世界をいかに早く現実のリアルさに転換するかが勝負ですし、それを実現した企業が次世代のネットの世界を支配するでしょう。今回のMetaの株価はその競争の厳しさを見せつけてくれましたが、同時にそこには大きなチャンスが眠っていることを、我々は気づかなければなりません。