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Weekly report

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 May Fourth week

  うららかで爽やかな日々が続きます。この時期は熱川も本当に気持ちよく、朝夕の犬の散歩も快適です。とはいえ梅雨に入るとやはりジメジメしますし、その後の夏は蒸し暑いのでしょうね。この時期の素晴らしさを、今年は短期間ですが楽しみたいところです。

 さて、去る5月13日、日本の老舗音響メーカーであったONKYOが自己破産しました。オーディオマニアを引きつける高級機器を作ってきた当社ですが、シリコンオーディオの利便性とデジタル音源による音の均一化によって、とうとうその命脈もつきたようです。負債総額は31億円と非常に厳しい状況ですが、日本の名門企業も時代の変化とともに大きくその様相を変えつつある状況です。

 今から50年前、まだまだ世の中には映像を実現する手段がなく、もっぱら音を再現することに世界銃の会社がしのぎを削っていました。その中で日本は、テクニクス(松下電器)、ダイヤトーン(三菱電機)、ローディ(日立製作所)、オーレックス(東芝)、OTTO(三洋電機)といった総合家電メーカー、SONY、ケンウッド、山水、ビクター、パイオニア、YAMAHA、DENON、TEAC、AIWA、AKAI、オーディオテクニカといったオーディオメーカーがひしめいていました。70年代のハイファイオーディオ、80年代のミニコンポーネントステレオなどがピークでしたが、その後のデジタル化の流れの中で多くのメーカーが潰えてきました。生き残ったメーカーは映像分野に進出したり、デジタルミュージックに適したシリコンデバイス等や、デジタル機能を充実した音響機器によって生き残りをはかりました。しかしながら旧来の音響デバイスにこだわった企業はやはり命脈がつき、2000年以降廃業や破産、海外企業への売却が続いています。

 今回のONKYOもさまざまな策を弄して生き残りを図りましたが、やはり限界はあったようです。事業売却を最後の望みとしていましたがそれも果たせず、今回の自己破産につながってしまったようです。

 古き良きオーディオマニアである私には、寂しい思いはつきません。それでもかつて様々なメーカがそのイノベーション力によって世界に席巻したことを忘れてはなりませんし、その源泉をもう一度振り返るべきと思います。また今回の件は、現在青息吐息の日本の多くのメーカに共通する事象のように思えます。人ごとと考えずに我々はこの状況をもう一度検証し、どうすれば次世代の強い日本産業を生み出せるのか、真剣に考えるべき時代になったと私は考えています。