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 April Fourth week

 PayPayが顔認証をつかった決済の実証実験を始めました。

 PayPayはYahooの実験店舗に置いて、あらかじめPayPay決済に登録した顔の画像情報を元に決済を行う仕組みを開発し、実証実験を始めたようです。これによってスマホを使わなくても商品の決済を、顔という本人の情報で決済ができるようになります。これが普及すれば、スマホやクレジットカードなどのデバイスを持たずに決済が可能になりますし、きわめて利便性の高い仕組みになると思われます。

 現在の現金以外の決済は、利用者のデバイスが必要になります。昔はクレジットカードといわれるプラスチックのカードが、その人間の信用を保証し現金の代わりとして利用できるようになりました。紛失や盗難により他人に渡った場合に本人を特定するための手段はサインであり、筆跡の違いによって本人を見分けていました。サインを真似る練習はできますが、その練習期間中に紛失や盗難が発覚すれば,そのカードそのものが使えなくなってしまいます。これによってサインという真似が可能なものでもある程度安全性が保てました。

 時代の進化ととにも、クレジットカードにも新しい安全性確保の方法が取り入れられます。それがカードに貼られたICチップです。このチップ上にパスワードなどを記録することで、サインを使わなくても決済が可能になりました。もちろん数字4桁と誰でも覚えられるためパスワードが漏れると危険ですが、サインのように外見からはパスワードが見えないため盗用はしにくくなります。ランダムにパスワードをうっても数回で利用不可になりますし、推測しやすいパスワードでない限りサインよりは安全性が高まったといえるでしょう。

 その後PayPayなどのスマホを使った決済手段が生まれてきました。スマホにはパスワードやサインコード、顔認証などによるセキュリティがかかっているため、スマホそのものを手に入れてもロックを解除することがきわめて難しいといえます。その上PayPayなどのアプリを使うときにも認証が求められるため、二重のロックになっています。となると、ICチップを使ったクレジットカードよりも安全性が高いですし、現在の利用状況を考えるとスマホを紛失したり盗難された場合迅速に気づく可能性が高いので他者の利用が難しくなります。さらに搭載されたアプリ等もロックが可能ですから、安全性は極めて高いといえるでしょう。

 現在はスマホを持ち歩かない方はいないといっても過言ではありませんから、スマホで仕組みは完結するように思われます。しかしスポーツの時やちょっとした外出時に、財布やスマホを持たずに出かけるケースもあります。そういったシチュエーションでの利便性や、操作nika貸す時間などを考えると、今回の顔認証によりデバイスを使わずに決済できるのは本当に便利です。私自身は決済のためにいろいろなデバイスを持ち歩き提示することに疑問を持っていましたので、こういう仕組みは理想的に見えます。

 ただし顔認証にも、さまざまな問題があります。マラソン後に大汗をかいて体重も減少したとき本当に認証が可能か、顔情報の登録時に他者の顔を登録されないかなど、信頼性や安全性を脅かす問題は常に存在します。こういった問題を一つ一つ解決するために、今回のトライアルが始まったと思われます。

 最新ITを利用して、様々な分野の利便性は高められます。しかし最新ITはつねに人間の想定外の問題を引き起こします。だからこそ新しい技術を使う場合は一つ一つの問題をきちんと解決しながら、完璧ではないとしてもより安全な方法を編み出すことが、我々ITエンジニアには求められています。