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Weekly report

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 April Third week

 また首相が狙われました。

 和歌山県で応援演説中の岸田総理が、爆弾を持った犯人に狙われました。手製のパイプ爆弾を投げて暗殺しようと試みましたが、おそらく爆発までの時間が計画と違い長くなってしまったため首相は難を逃れることになりました。投擲されたパイプ爆弾は首相のそばに落下しましたが、警護中のSPが即首相を対比させたこと、ならびにパイプ爆弾の爆発までに時間があったことが幸いしましたが、二年続けて首相暗殺という惨事になりかねない恐ろしい事件でした。

 犯人を取り押さえたのはSPでも警察でもない、普通の漁師だったことには驚かされました。投擲後すぐに二発目を出した犯人を後方から羽交い締めし倒したことで第二弾を投擲できず、大きな被害が防げたことは幸いでした。 警官は少し後で飛びかかっていましたから、この漁師が止めなければ第二弾が投擲され、大きな被害を生んでいた可能性は高いと思います。危険を気にせず羽交い締めした漁師さんに賞賛を送りたいですし、首相の前の観客をすぐに避難させた警備体制は非常に良かったように思いました。

 それでももし爆弾が通常の手榴弾同様5〜6秒で爆発した場合、大きな被害が出たと思います。構造の問題もありますが破裂の際に殺傷力の高い釘などが入れられていたとすると、SPが開いた楯のすき間から首相とSPが負傷し、動脈や静脈を切断したとすれば命に関わる重症になったでしょう。もちろん付近の聴衆も大きな被害を受けたと思われますから、安倍首相の時よりもはるかに大きな惨事なるところでした。

 今回使われたパイプ爆弾ですが、その構造が不十分だったことも幸いしました。パイプ爆弾はパイプの中に火薬と鋭利な破片やベアリングなどを詰めた構造で有り、パイプの上下を蓋で締めてできています。このねじ込んだ蓋部分が緩かったか、ねじの溝が浅かったかで蓋の部分が外れ、パイプの破裂が起きませんでした。のちの調査でキャップ部分と片側のキャップが閉まったパイプが別々の場所で見つかりました。爆発はキャップを吹き飛ばしたため本体が破裂せず,ロケットのように飛んだようです。飛ばされたキャップもさらに遠くで見つかっていますから、威力は十分であったように思われますし、構造がきちんとしていたらやはり大きな惨事になったことでしょう。もしパイプの破裂が起きたとすれば時間がかかってもその付近に大きな破片をまき散らしましたから、複数の死傷者を生んだ可能性が高いと思います。パイプ爆弾の部品となるパイプやキャップは簡単に手に入りますし、黒色火薬の原料も通販等で手に入ります。後は割合だけの問題なので、誰でも作れるといって過言ではありません。今後もこういった犯罪は増える可能性は十分にあると思われます。

 こうした犯罪を防ぐことは、残念ながら非常に難しいと言わざるを得ません。材料もホームセンターや通販で買えるものばかりですから、そこから犯罪の可能性をつかむのも困難でしょう。それでもSNSやネット上の発言や闇サイトへのアクセスなど、犯意を推測できる可能性があります。人間に監視は難しくても、AIがそういった人間の行動を発見し監視する社会は、間違いなく生まれます。しかしそれは同時に監視社会をつくりだすということ。我々は何を守ろうとするのかを真剣に考え、考え、考え、少しずつ我々の理想の未来を築く努力をしなければならないと私は考えています。