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■スモールワールド・ネットワーク (2/19/2005) 
ダンカン・ワッツ 阪急コミュニケーションズ \2,800
本当は書評に値するだけの理解をしていないので、この本をここで紹介するのは問題があるのですが、最近私の速読力について神話化する方々が出始めたので、その誤解を解くために紹介します。
まずこの本ですが、私の実力では本当の意味で速読はできません。かちかちの技術論文(物理の世界ですね。)であり、その密度と技術レベルの高さは天下一品でしょう。近年読んだ中で難しかったベスト10に入る本であり、これを速読でき、かつ理解出来る方がいたとしたら驚嘆に値します!
しかしそれでも理解できるできないを問わず、一応速読はしました。結果としては、別に面白い本ではありませんでした。ネットワーク(ITのネットワークだけでなく、つながる、という意味のネットワーク)に関する理論をまとめたものであり、このネットワークがなぜ世界の距離を縮め、それが何を生んでいくのかといった点を物理的に考察した本です。従来のネットワークはあくまでも人間的要素を媒介していたのに対し、最近のネットワークは情報技術を媒介して作られるものです。そのためネットワーク化の範囲と速度が急激に高まったため、世界が縮小しているし、今後はさらに進むといったことを各種のモデルを使って証明しています。しかしこれらを理解するのが、本当に難しいのよ....
ちなみにこの本を速読するのに、2時間ほどかかりましたし、全然理解は進んでいません。皆様同様つまらないところでは完全に目が文字の上を滑ってしまい、眠さとの戦いになった部分も少なくありませんでした。
といったように速読は神業でもなく、単なる練習です。逆に神業を速読というのであれば、私が行っているのは「ナナメ読み」程度だということをご認識頂きたいと思います。
で、結論として、この本についてはお勧めしません。内容は良いと思うのですが、私自身主張されていることを理解出来ていないためです。あしからず。