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■アマゾンの秘密 (2/19/2005) 



松本晃一 ダイヤモンド社 \1,500
amazon.co.jpの立ち上げから安定期までの出来事を綴った、一種の青春記のような本です。筆者はコンサルタントであり、立ち上げからのamazonに深く関わっており、記述されている内容が客観的かつ並のライターよりもずっと読みやすく記述されています。さらにメンバーとしてかかわったことから、ライター的な視点ではなくその状況を共有した人間としての客観性があり、非常に面白い本と思います。
ベンチャー企業の立ち上げの状況や、e-Businessの騎手であるamazonのシステム状況、意思決定システム、そこに働いている方々の気持ちが手に取るように解る臨場感が高い良い書籍です。さらに企業の成長とともにおきる大企業病や組織の問題、参加する人間のモチベーションの変化など、ベンチャー企業にかかわらずさまざまな企業に参加する人が学ぶべき要素がきちんと表現されています。そのうえamazonという技術的に非常に高度な情報システムを保有している企業が、どのようなシステム企画を行い、開発し、発生した問題に以下に対応しているかも知ることができますので、情報システムの観点からもお勧めです。
amazonから書籍を注文したり、情報を参考にしたことがある方は必見!!
■プログラマ主役型プロジェクトのススメ (2/19/2005) 
細貝俊夫 翔泳社 \1,680
表題の通り、プログラマを中心としたシステム開発論なのですが、どうも私には理解しがたい書籍でした。読んでヒントになるべきところもあるため一概にダメ、とは言い難いのですが、私の考え方と異なる部分が多くかなり戸惑いました。
いちばん戸惑ったのは、プログラマを中心にボトムアップで組織を考え、システム開発をすることを主張されている点です。プログラマ、システムエンジニア、プロジェクトマネージャともそれぞれが専門職であり、上下や技術的難易度の差は特にない、というのが私の考えであり、それぞれの役割も違うように私は思っております。この本では、プロジェクトマネージャやシステムエンジニアが現場の状況を解らないため、根幹の技術を担っており、現場を知っているプログラマが主導権を握るべきだ、と主張されています。(事件は会議室で起きているんじゃない、現場でおきているんだ、ということらしいです。)しかしそうなると、単なる呼称だけの問題だけとなり、プログラマがプロジェクトマネージャとシステムエンジニアの仕事を兼務することになってしまいます。これでは結局、同一名称(プログラマ)という職種の中で役割分担ができるだけで、問題は何も変わらない、ということにならないのでしょうか?
頭が弱い私にはどうにも理解しがたい本ですが、amazon等の書評では結構好意的にとらえられているようです。それだけプログラマという仕事が世間一般では軽んじられている、そのため溜飲が下がる思いで読まれる方が多い、ということなのでしょうか?
私には理解がしにくい本ですが、ヒントはありますのでお好きな方はどうぞ。