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会社員のための内部統制入門  (5/15/2006) 

 青野奈々子  第一法規

 新会社法やSOX法によってすっかり有名になった言葉、「内部統制」。この言葉の意味を本当に理解出来ている方は少ないですし、また昔から監査人を悩ませた学問でもあるこの言葉をやさしく解説した書籍がないことは本当に問題でした。

 最近は新会社法とSOX法によって内部統制という言葉が比較的理解しやすくなったのですが、それと現実の会社での業務とは別次元の問題。すなわち内部統制という言葉や概念が理解出来ても、その実際例や業務現場での内部統制評価や改善ができなければ、それは単なる知識で終わってしまいます。この本はそういった実務で使えない「内部統制」という言葉をよりリアルに理解し、実務での内部統制評価や改善につなげる基本となるべき書籍といえます。

 内容は最近はやりの「小説調」なのですが、販売や発注、現金管理など実際の企業業務のサイクルにそってストーリーが展開しており、それぞれの内容も比較的平易でわかりやすいものとなっています。またストーリーの後に解説部分があり、そこでそれぞれのサイクル毎に内部統制の具体的手法や運用上の注意点などが説明されており、素人だけでなく実際の業務に携わる方にとっても手引きとなることは間違いありません。

 内部統制を基本を知りたい方に。

 

内部統制のしくみ   (2/27/2005) 

 あずさ監査法人 経営改革支援本部(編)  中央経済社

 社会的にもいよいよ認知されてきた企業改革法(日本版SOX法)ですが、その適用対象となるべき上場企業、ならびに多くの企業が現在の業務のやり方を改める必要が出ています。特に重視されているのが内部統制であり、その基本を理解しそれらを企業業務に組み入れる必要性がまさに今多くの企業に生じています。

 内部統制そのものはSOX法特有の考え方ではなく、企業経営において昔から重要視されてきたものです。しかしながら日本ではなじみが薄かったせいか、現在多くのIT企業が誤った解釈をしており、単に自社の有力な商機ととらえてしまっています。(その怖さの意味が理解出来ないのが、致命的ですが...) 内部統制に依拠しない企業経営はありませんし、同時に情報システムに依拠しない企業経営ももはや考えられないでしょう。したがって情報システムに対する内部統制の強化は、今後の必須課題になります。(監査人なら当たり前の考え方ですよね。)

 20年以上前から内部統制に関するて難しい書籍は多く出版されてきたのですが、これほど理解しやすく読みやすい本ははじめてです。20年ほど前にEDPAAで宇佐美博先生にお教え頂いた内部統制がここまで一般化することに、システム監査に長年従事してきた私には感慨ひとしおです。

 システム監査技術者試験の前提知識として必読ですし、これからの企業経営を理解する意味でも重要書籍となります。

 ビジネスマンに、必読の書!