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若者はなぜ3年で辞めるのか?  (10/22/2006) 

 城繁幸  光文社新書  \700

 前作の「内部から見た富士通 成果主義の崩壊」も面白かったですが、より自由な立場で書かれたこの本も、期待に違わず非常に素晴らしい出来です。最近のベストセラーでは結構外されてきましたが、今回は本当に買う価値のある書籍でした。

 年功序列の終焉と成果主義の導入が、現在の労働環境にどのような問題を引き起こしているのか、その原因はどこにあり、何を変えなければ誰に不利益がもたらされるのか、非常に論理的かつ精緻な文章で述べられています。現在の労働環境を変えるためには、どのような努力をすべきなのか、我々が取り組んでいくべきことはなにかも明確に提言されており、非常に明快な主張が展開されています。

 現在の労働環境と今後を考えるキッカケに。

 

ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業 1  (10/22/2006) 
  
ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業 2

 鶴保征城、駒谷昇一  翔泳社 各\2,000

 私の友人である駒谷氏が書いた書籍ですので、私自身の評価に客観性は欠けます。しかしそれでも、良く書けていると思いました。

 駒谷氏はNTTソフトウェア社でエンジニア、ならびに人事研修畑を歩まれた方であり、技術的・人事育成に精通された方です。同時に多くの大学で講師もしていらっしゃり、現状のIT業界を少しでも変革させるため積極的努力を行っている方です。私自身駒谷氏の人柄にあこがれますし、彼自身の志には本当に共感します。その駒谷氏と、元NTTソフトウェア社の社長である鶴保氏が丁寧に記述された本ですので、一読の価値はあります。

 内容的には、理工系の大学生向けにプロジェクト工程の基本がきちんと説明されていますし、それぞれの勘所も比較的明確に書かれています。その意味で、工程全体を理解したい若い技術者の参考になるでしょう。もちろんベテランが基本を振り返る意味でも使えますし、新人等の技術力を向上するために何を理解させるかといったヒントにもなると思われます。ただし巻末の各種提出書類(設計ドキュメント等)のサンプルが全体の1/5程度のページをしめており、その意味ではちょっと冗長さを感じます。こういった内容ならば、できれば千円台で提供した方が望ましかったようには思いました。もちろんドキュメントの中には、参考になるものもたくさんありますが...

 ソフトウェア開発の、プロジェクト工程全体の基本を知りたい方に。