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カエルのピング  (11/12/2006) 

 スチュアート・A・ゴールド  幻冬舎  \1,000

 書店の平積みでよく見かけるようになり、「ベストセラー」という表示も少なくないため手に取ってみた書籍です。

 チーズはどこへ消えた以来、この手の本は増えました。物語形式で、人生の指針を教えてくれる自己啓発書です。しかしながらチーズ同様、私にはあまり必要のない書籍のようです。なによりいやなのは、説教臭いこと。人生は多様であるにもかかわらず、どうしても一つのあり方を教えようとする説教臭さが私にはあわないようです。さらにチーズもそうでしたが、問題提起が自分にはあわないことも問題のようです。チーズが無くなれば、さっさと探しに行くというのが私や私の仲間の考え方のため、チーズが再び出現することを期待して待ち続ける、といった感性が我々には欠けています。今回のカエルも同様です。迷いを解決するために目標を設定し、内なる心の声に耳を傾け、自分を信じて楽しく生きる、これって、教えてもらわなくても普段普通に心掛けていることですから..

 これを読むならば、かもめのジョナサンのほうが、ずっとましと思います。これはベストセラーになりましたし、本当に素敵な本でした。この本の著者であるリチャード・バック氏はパイロットであるため、空を飛ぶ浮遊感とともに、群れから離れるすがすがしさをみずみずしく伝えてくれます。もっとも、私の本当のお勧めは、私のバイブルであるイリュージョンのほうですが...

 時間が有り余っている方に..

 

イリュージョン  (11/12/2006)  【Book review番外編】

 リチャード・バック  集英社  \1,680

 番外編の書評です。このBook reviewでは基本的にビジネス関係の書籍しかとりあげていませんが、上記の書籍を紹介した関係上、この本について少しコメントしておきます。

 この本と出会ったのは、30年ほど前です。当時学生だった私が古本屋で何気なく手に取った書籍でしたが、帰りの電車の中で一気に読ませてしまうほどの衝撃的な内容でした。その後その本は私の友人によって紛失されてしまい、その内容と同じような末路をたどったしまいました。当時の本は作家の村上龍氏が翻訳した物でしたが、今回新訳で再発売されましたので、皆様も手に取ることが出来ます。

 この本は、現代に甦った救世主の話です。救世主は一般の人間として生まれ、普通の少年として育ちます。しかしいつかその力を使ったとき、救いを求める多く人によって救世主にされてしまいます。それを嫌った(飽きた?)救世主は、普通の人間に戻ることを宣言し、旅をはじめます。
 その旅の途中で知り合った友達リチャードの視点で、救世主であるドンとの不思議な旅が綴られます。自分の力を自分のために使い、ちょっとだけ人に優しくしながら、自分の道を歩む。たとえ明日の運命を知ることができても、淡々と正直に生きていきます。

 その不思議なストーリーは、下手な自己啓発書よりずっと何かを教えてくれますし、人生の美しさや大切さを感じさせてくれます。本当に、私のバイブルです。

 人生に迷ったときに。