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危ないミクシィ  (2/18/2007) 

 夏原武、江建、後藤ひろし  洋泉社  \952

 Web2.0の旗手であるmixiに関する本ですので読んでみました。センセーショナルな話題が中心で、今ひとつ面白味には欠けますが、Webに共通するセキュリティの弱点については一応知ることができる入門書でした。

 こういったセキュリティ的な脆弱点を知らずに、まだまだたくさんのユーザがいることが、一番問題のように感じます。いずれの事件も普通に起きうることですし、それらを想像出来ないユーザやその教育を行えない仕組みそのものに問題は感じます。ネットという匿名性の高い世界は、リアルの世界とは違う問題を引き起こしますし、その問題はリアルの世界に波及してきます。その危険性を認識せず、自らの情報を露出する現在の風潮は、やはり問題が大きいとは思います。

 ネット上は、西部劇の世界と同じく警察機能は自警組織が担っているといえます。しかしながら自警組織はリンチを生みやすいのは事実ですし、そのリンチは匿名の人間が行います。そのリンチを誘発する行為もあり、正義感と匿名性が相まったリンチが発生してしまいます。このような状況を正すような、ネット警察機構が本当に必要な時代に来たのかもしれません。

 当たり前のセキュリティとネットの闇を知りたい方に。

 

マネジメント改革の工程表  (2/18/2007) 

 岸良裕司  中経出版  \1,600

 タイトルだけを見ると製造業の難い本に見えますが、プロジェクトを中心とした組織的活動について効率よく業務を遂行するためのヒントを示した本です。情報システムのプロジェクトに閉じた内容ではありませんが、プロジェクト全般についてTOCの観点からさまざまなヒントを提示しているよい本と思われます。

 クリティカルチェーンやザ・ゴールよりも若干理論的で、ポイントがきちんと明示されているため、初心者にも読みやすい本と言えます。ゴールドラットの本はストーリー仕立てがよいのですが、その反面TOCに関する考え方や純粋な理論を理解しにくいという欠点があります。この本はTOCで提唱される様々な考えを元に、組織活動においてどのような点に注意すべきか、また組織や業務の効率を高めるためどのような考え方をすると良いかを、簡単かつ明確に伝えてくれます。難しい本を読むよりもずっと簡単かつ楽に、TOCの実践を理解出来ると思います。

 最近はやりのストーリー仕立ての本に飽きた方に。