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サービスの「正体」  (12/9/2007) 

 小山薫堂  すばる舎リンケージ  \1,500

 最近はやりの、サービスの本質に関する本です。この本のように、ホテルのサービスを例にサービスの本質を解説する本が増えていますが、その中でも比較的面白かったのでご紹介します。

 この本は放送作家の小山薫堂氏が書かれたものであり、これまでの経営学的視点とはやや異なったわかりやすい説明が読みやすさの秘訣かも知れません。舞台となっているのはホテルニューオータニであり、そこでのさまざまなサービスとその裏にある心遣いや考え方を説明してくれています。これまで読んだリッツカールトンやヒルトンのサービスとはちょっと違った、日本的視点のサービスも垣間見れるため、私には面白く読めました。ITの世界でも、サービス業的配慮を要求されるシチュエーションは少なくありません。となるとこういった書籍から考え方を学ぶことは、日々の仕事の質をちょっとだけ高めるキッカケになると思います。

 一流ホテルのサービスと、その背景と考え方を知りたい方に。

 

フェラーリと鉄瓶  (10/21/2007) 

 奥山清行  PHP研究所  \1,300

 かっこいい生き方をしている人は、本当にかっこいい文を書く、そんな感想の一冊でした。

 ご存じの方もいらっしゃると思いますが、フェラーリの限定車「エンツォ・フェラーリ」をデザインした日本人デザイナーの奥山氏が書かれた本であり、ぐいぐい引き込まれる内容と読みやすい文章であっという間に読み終わってしまいました。奥山氏は大学卒業後アメリカ、ドイツ、イタリアで工業デザイナーとして主に自動車のデザインに従事し、昨年独立後日本で活躍されている方です。

 世界で活躍した視点から、世界のモノ作りと日本の違い、現在の日本のモノ作りのもつ問題点、よりよいものを作るための視点などをわかりやすく伝えてくれます。なによりよく知った車メーカーでの実務をベースに説明されるため、イメージしやすくわかりやすい内容といえます。私はiPod nanoを手に入れたときから、「iPodが、現状の重たいカーオーディオやナビゲーションを変えていく」と講座で力説していましたが、まったく同じことをこの方もこの本の中で言っています。やはり機能論をベースに考えると、行くつく結論は一緒なんだ、ということを妙に納得させられました。

 「すべてのものは、人のために作られます。それは昨日や今日の誰かではなく、明日の人のためにものを作るのです。」 この本の後書きの一文が、私に深く響きました。

 次の時代のモノ作りを担う、IT技術者に。