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情報社会の倫理と法  (2/10/2008) 

 リチャード・A・スピネロ  NTT出版  \3,200

 日々混乱するネット社会に徐々に危惧感を抱き、最近この手の本をよく読みますが、この本は比較的面白かったのでご紹介です。

 ほとんどの方はネット社会の倫理のあり方について、疑問を持ったことがあると思います。「煽り」や「晒し」という言葉に代表されるとおり、ネット社会では実社会とは異なる倫理観があります。その良否は判断しかねますが、今後の成熟に向けた倫理や法律のあり方を考える必要が生じています。ネットワークを中心としたITは人類の進化に間違いなく多大な貢献をしますが、その反面日陰は生まれますし、その日陰を今後どのようにコントロールすべきか、そのヒントをこの本は教えてくれます。

 私はこの本の第1章は、読む価値があると思います。倫理や道徳が人類の歴史とともにどのように育まれてきたのか、それを踏まえて今後ネット社会をどのように考えていくかの問題提起をしてくれています。またその後のケーススタディに関しても、さまざまな事例を提示し、ネットと検閲、著作権、サイバー犯罪などについて我々はどう取り組んでいくべきかのテーマを投げかけてくれます。もちろんすべて答えのない論議であるため、何も解決方法や具体的指針は提示されず、ただ問いかけてくるだけですので、一つ一つ深く真剣に考えざるを得ないのですが。

 ネットワーク社会のあり方と、人間の業や欲について考えたい方に。

 

ワインバーグの文章読本  (2/3/2008) 

 ジェラルド・M・ワインバーグ  翔泳社  \2,200

 ワインバーグ先生の最新書です。

 名著の数々を残しているワインバーグ氏ですが、その文章作成の秘密がすべて明かされています。文章を書く際にどのようなやり方が楽かを、ものすごくわかりやすく簡潔に教えてくれます。文章作成が遅い私には思い当たる節も多く、こうすればもっともっと文章を楽に残せるのかを知ることができました。少なくとも今年中に執筆を完成させるために、どのように取り組むべきかのヒントは得られたと思います。

 個人的に驚いたのは、ソフトウェアテスト293の鉄則の著者であるジェームズ・バック氏がワインバーグ氏の教え子であることで、さらにそのバック氏の父親が私の大好きなリチャード・バック氏であったことです。いやぁ、本当に興味深い偶然ですね。

 文章作成が苦手な方、ならびにこれから著作を書いてみたい方に。