ウェットスーツとドライスーツを総称して、保護スーツと言います。ウェットスーツやドライスーツは、ともに基本的に低い水温から体を守る働きがありますが、珊瑚や海中生物から体を保護することにも役立ちます。両者の違いは、体温保護の方法です。ウェットスーツは、皮膚とウェットスーツの間に微量の水を入れて、その水が体温まで暖まることで熱の放射をふせぐ機能を持っています。したがって通常の水泳同様、体は水で濡れることになります。それに対しドライスーツは、手首と頭以外を完全に一体の袋で包むことで、体を一切濡らさない構造になっています。一言で言えば、足下から大きな袋に入り、首まわりで袋を閉じる。これがドライスーツです。
ウェットスーツ、ドライスーツとも素材はネオプレインというゴムに似たスポンジ素材が一般的で、厚みは3mm、5mm、6.5mmといろいろな種類があります。厚いほど断熱性が高いため、水温と用途でえらびます。ただし厚くなればなるほど動きが悪くなるため、注意が必要です。(厚いほど暖かいですが、映画の怪人の着ぐるみ状態になります。)本格的なダイビング用には、リペルスキンというスーツの内部にアルミ系の断熱材をコーティングしているものもあります。日本の海は、夏が水温20〜25度、冬場は水温20度以下になります。水温が20度以上あればウェットスーツでも大丈夫、という人はいますが、これは個人の考え方です。基本的にはダイビングはこのような環境で潜りますので、ある程度の厚さのウェットスーツが必要になります。もちろん個人差がありますので、夏でもドライスーツのほうがいい、という方もいます。ただし水面にあがったときに、夏のドライスーツはサウナスーツに早変わりしますので、気が狂うほど内部が暑くなることは覚悟が必要です。
メーカは基本的にどこでも一緒です。(デザインの違いだけ。)ただし私のような例外体型ですと、既成のサイズではまかなえないため、オーダメイドとなります。(さすがに身長183cm体重100kg用の既成品はない)ウェットスーツの原理は、皮膚とウェットスーツの間に微量の水を入れて、その水が体温まで暖まることで熱の放射をふせぐものと、さきほどご説明しました。従って対流と呼ばれる水が常に流れる状態ができると、暖かくありません。つまり体に合っていないと、常に水がスキマから流れ込み、せっかく暖まった水が流れ出てしまうのです。したがって私のような例外体型の親父は、オーダメイドでウェットを作るしかありません。ドライスーツは身長だけでなく腕の長さ、股の太さ、またブーツと一体になっていますので足のサイズまで考えなければなりません。既製品もあるのですが各要素の選択範囲が狭いため、ほとんどの方にはオーダメイドのほうが望ましいかもしれません。
一般的な体型の方は、既成品で大丈夫ですが、腕の太さや長さなど、個々人で多少の個体差はありますので注意が必要です。既成のものを買ってみたら、首周りがキツイとか、胸が苦しいということもまれにはおきます。ももがキツイと、歩く気もなくなりますし、気分も悪くなります。したがって既成のものを買う場合は必ず試着し、そういった部分部分に無理がないかを確認してください。