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  • 2005年5月7日

扉座 岡森氏飲み会】

 二人でさしで食事をしたのは、実は25年ぶりぐらいでしたが、本当に楽しい飲み会でした。焼き肉屋の閉店までお付き合い頂いた岡森氏、本当に有り難うございました。私と貴君が出会ったのは、今回一緒に参加させて頂いた我が子の年齢のときですから、お互い本当に歳を食ったものです。しかし当時とまったく変わらない貴君と話すと、私自身も昔に戻ることができました。いまだにめいっぱい肉が喰える体力、スポーツカー(S2000!)で箱根を飛ばせる若さと感性、多くのCMのナレーションを務めるその声、それらすべてが相変わらずうらやましい限りです。

 とはいえ熱中して話せたおじさん達の文化論は、私にとって多くのヒントを与えられた気分になりました。また私自身も、貴君の世界からたくさんのことを学ばなければならないことを知ることができました。そうして貴君の世界と我々の世界が近づくことが、世の中を豊かにできることだとも実感しました。そうした気づきを与えて頂いたことに、貴君に本当に感謝しております。

 バブル崩壊後、舞台の世界はさまざまな後援企業の撤退という事態に遭遇しました。「メセナ」という言葉が死語になったように、企業はその業績維持のみが命題となり、文化貢献など全くの過去の出来事になってしまいました。最近の日本人は、自らの文化に対する意識が非常に低いことが特徴ですし、それが日本の国際化を阻害していることは事実です。本来文化に対する意識を高めることは愛国心を高めることにつながるのですが、本当の愛国心は戦争と対峙する関係にある望ましい存在のはずです。(自らの国を愛するのだから、相手の国も同様に愛せる・大事にできるというのが、本来の愛国心ですから。)また文化を愛することから教養が生まれますし、教養はビジネス社会で重要な要素となります。しかし世界的に見て、我々はその文化に対する意識が非常に低いことは事実なのです。世界中の経営理論は語れても、自らの国の歴史を語れず、日本の文化を語れないビジネスパーソンは掃いて捨てるほどいます。我々はその文化を大切にし、後世に伝える義務を有しているにもかかわらず、それをすっかり忘れ小賢く振る舞ってしまっているのが私の属するビジネスの世界です。

 貴君がおっしゃったとおり、小中学生の時に見せられた下手くそな芝居のせいで、多くの男の子や女の子は芝居が下らないものという意識をすり込まれます。また年寄りは、韓国ドラマや映画に熱中するくせに、舞台の芝居をバカにします。相変わらず河原乞食と呼ばれるように、役者は誹られますし、役者を志向する若者は熱病にかかっているか大馬鹿者と思われます。企業は芝居など、あくまでも私的な趣味の世界と位置づけます。そのくせ芝居で成功した俳優を利用した番組を使って、企業はその製品のCMを放映し宣伝活動に利用するです。(現在の日本のTV俳優の多くが、舞台役者出身です。)

 しかし私は思います。きっと芝居の世界とビジネスの世界には、重要な接点があると。私の講座で「頑張ろう!」と思ってくれる受講者がいるのですから、本物の芝居はより多くの人のモチベーションを高めるはずです。CDとライブはまったく別物であるように、テレビと芝居もまったく別物です。その場で味わえる臨場感は凄まじいものがあります。その臨場感が、ビジネスパーソンにも多くのインパクトとキッカケを与えてくれると私は信じています。

 残念ながら今はまだ、私には具体的な方法が見つかっていません。しかし必ず、貴君等の世界とビジネスの世界をつなぐ方法を見つけて見せます。これが私の、日本文化に対する責任であり、世界と対等に戦えるビジネスパーソンをつくる道につながるということを信じているからです。


 最後にこのページを御覧の皆様、ぜひぜひ舞台の芝居に足を運んでみてください。テレビや映画にない、新しい気づきがそこにはあるはずです。手始めに岡森氏の芝居、あるいは扉座の芝居でもとおっしゃって頂ける方、ぜひご連絡を。チケットの手配ぐらいさせていただきます。