【ＮＳ社 コンサルティング基礎研修 最終回】
足かけ４ヶ月にわたる長き講座でしたが、ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。また講座をコーディネイトいただきました皆様、お忙しい中講座を聴講いただきましたN様も本当にありがとうございました。
IT業界を取り巻く環境は激変しており、中国やインドと中心に労働が流出しています。クラウド化の波は業務アプリケーションシステム開発業務の必要性を低減させていますし、コモディティ化にともなう価格下落の波は止めようがありません。かつてコピーマシンがたどったように、高価格で一部の企業しか利用できなかった機器が、様々な技術革新によってその必要性を低減させ、同時に市場で飽和することにより価格を下落させる、そしてその動きに対抗するためには高度高機能化しか活路がない、といった状態にIT業界も至っています。レーザプリンタやインクジェットプリンタがそれらの必要性を奪ったように、インターネットを中心とした環境が業務アプリケーション開発の必要性をなくしています。
低価格化市場で戦うためには、我々自身が低価格になるしか方法はありません。やがて世界経済は平準化するのかもしれませんが、我々が現役の時はその格差は消えないでしょう。となれば、我々が低価格市場で戦う方法には限度があり、そこで有効な手段を見いだしてもそれ自身が低価格化するため、決定的な方法にはなり得ないと思われます。低価格の市場は我々には戦える余地がほとんどないのです。となれば我々は高付加価値の世界にこぎ出さなければなりません。その一つが上流工程であり、その中でも今回のような企画部分は、大きな可能性が残されています。
しかしその世界で戦うためには、これまでとは違った能力と訓練が要求されます。その能力を習得し、訓練する努力を続ける人間のみが、その世界で生き残ることができます。皆様はそこで戦うための基礎的なポテンシャルを持っています。お世辞なく言えば、そのポテンシャルは極めて高いものと思います。しかしながらそれだけで通用するような甘い世界でもなく、思いつきで戦える世界でもありません。しかしながら、今回の８回で学んだことをもとに努力を始めれば、確実にその世界で戦いうることも事実です。
激変は緊張とともに、大きなチャンスをもたらします。そのチャンスを生かすも殺すも、皆様次第です。そこに大きな果実があるのであれば、そのチャンスを生かしその世界で十二分に稼いでいただくことを、私は心から願っています。それは皆様一人一人の幸福だけでなく、全人類の幸福につながる可能性があるからです。
ということで、厳しい講座を積極的に楽しんでいただきました皆様に、心から感謝したいと思います。またできれば、是非とも打ち上げとして一献傾けたいと思っております。
