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Weekly report
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 December Third week

 12月第三週目のWeekly reportです。

 このところの新聞では、製品や商品の値上げがたくさん報じられています。原油価格の高騰や、代替エネルギーとしてのトウモロコシの需要増と凶作による高騰、代替飼料としての小麦の高騰、ハイテク材料としての希少金属の需要増による高騰、中国やインドなどの新興国による食料や材料の需要増による高騰、など、さまざまな要因が複合的に絡み合い、あらゆる産業のコストを押し上げています。減努力も限界となり、現在の値上げにつながっているようです。
 もちろん多くの原材料を輸入に頼る日本にとって、円安はコスト高の要因となります。輸出産業は好調になるのでしょうが、そのもととなる原材料を高く仕入れなければなりませんし、国内向けであればやはり相当なダメージがあるはずです。

 この状況を見たとき、私は二つの不安を感じ始めています。一つは現在の好調の経済の裏で、新たな成長局面を迎えている日本経済に対してです。これまで日本の企業は、成長の過程で様々な余裕や無駄を含み持ってきました。しかしながら経済が停滞した際には、その無駄を絞ることで、企業は生き延びてきました。しかしながらバブル崩壊後の日本は、その復活の過程で無駄を許さなくなりましたし、それ以上に必要な仕事ですら無駄、と切り捨てながら成長をはかってきました。たとえば正規社員より派遣社員を選ぶ風潮や、ITを利用した合理化は次々進んでおり、これまでのようなちょっとした改善では、コスト状況が変化しないところまで業務は来ているように思います。そうなると、今後経済が停滞した場合、企業は何を切り捨てることで生き延びるのか、非常に不安になります。生活実感のない反映の中、さらに企業人や一般市民にしわ寄せがくる状況を、不安に思わざるを得ません。

 もう一つの不安は現在の世界の動きが、徐々に第二次世界大戦前後の状況と似てきたことです。民族の自決や内紛、新興勢力の台頭、資源確保に向けたナショナリズムなど、平和とは異なる世界の動きが見受けられます。この状況は、やがて国際間の衝突を生む可能性を高めていますし、武力による衝突も想像に難くありません。環境問題一つとっても、先進国のエゴと新興勢力の思惑が複雑に絡み、一筋縄では世界の方向が定まらない時代です。となると、この先の世界情勢にも不安を感じざるを得ません。中国やロシアという旧東側諸国の対等が始まったことで、冷戦崩壊後の米国一国独裁の様相は変化しようとしています。それが望ましい変化となるよう、願わざるを得ませんし、この緊張と複雑の中では、予断は許されない状況のように感じます。

 もうすぐクリスマス。全世界の子供達が、心安らかに一夜を過ごせることを、心から祈りたいと思います。

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

 ・ソフトウェア品質向上 ノウハウ体系化
 ・あふれる情報を活用 未来プロジェクト 動く
 ・ホームIT商機つかめ
 ・携帯の有害情報 接続遮断
 ・ケータイ小説 vs. キンドル
 ・TIS・インテックHD 「2010年」問題に備え統合

 さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。