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 June Fourth Week

 6月第4週目のWeekly reportです。

  実は先週、早めの夏休みを取っておりました。4月からの新人研修も一段落、骨折のリハビリも兼ねて石垣島&那覇におりました。今回は私の両親も一緒だったためやや行動に制約がありましり、さらに石垣に到着した時点ではまだ梅雨の最中でした。しかし2日ほどで梅雨が明け、一足早い真夏を楽しんできました。

 しかし石垣の海に入り、さすがにショックを受けました。世界に誇るサンゴの海がものすごく傷んでいるのです。素人の目にもはっきりわかるこの状況は、有名なダイビングポイントの多くで生まれていました。

 原因はいくつかありますが、その根本はすべて一緒なのです。それは「人間の驕り」なのです。

 最近世界的に、地球温暖化防止に向けた具体的取り組みが行われるようになってきました。温室効果を生むCo2の削減が急務と叫ばれていますが、先進国と途上国の意識の違いや責任問題で、まだまだ積極的な展開につながっていないのが現状です。しかしその取り組みの遅れが、世界の環境を破壊し続けているのです。

 地球温暖化によって、海水温が上昇し続けています。その結果、10年前に比べて石垣島の海水温は2度上昇したそうです。漁師にいわせますと、20年前からは4度程度上昇したそうです。そのため沖縄や離島を囲むサンゴは熱にやられ、白化現象が生じてしまいます。さらに温度上昇のため環境要因が変化し、従来はほとんど発生が見られなかったオニヒトデが大量発生し、サンゴを食べ尽くしてしまいます。その上開発残土である赤土と海水温の上昇によって、サンゴの病気であるホワイトシンドロームが大発生し、サンゴを死滅させています。

 海水温の上昇は、台風にも大きな影響を与えます。海水温が高いと大量の水蒸気が空気中に供給されるため、台風が発生しやすくなるだけでなく、その威力が膨大なものとなります。石垣では10年に一度大型台風が襲来する傾向があったそうですが、この数年はその10年に一度の規模の台風が、年に4〜5個来るようになってきたそうです。車ですら紙くずのように吹っ飛ばす風速70m以上の風ですので、大波を伴って移動します。その大波が島の付近の浅い水深で力を増し、海底からうねりをおこします。その結果として、サンゴが根こそぎもぎ取られ、死滅していくのです。
 大型台風は過去もありましたが、上記にも述べたとおり、それは10年に一度というサイクルでした。したがって死滅したサンゴは10年間で復活し、また台風で破壊されということを繰り返しました。これは地球の代謝行為であるため、その都度新しい何かが生まれることを保証してきました。しかし現在の台風では復活が出来ないため、結局サンゴは死滅していくだけなのです。

 そして最後の原因が、無責任な開発行為です。現在石垣島には空港がありますが、その空港が狭いため新空港をつくることになりました。しかしその必要を感じているのは単に開発業者だけであり、島民のほとんどはその必要性を感じていません。観光客が増えればさまざまな不動産投資で儲けることが出来ますし、その観光客は石垣の手つかずの自然にあこがれてくるというのが彼らのストーリーなのですが、実はその論理は破綻しています。なぜなら観光客が増えれば自然は破壊され、やがては観光客が来なくなるからです。石垣島の自然バランスをどうにか維持できるのは現在の観光客数であり、これが増えれば確実に自然は破壊され、結果として観光客は激減します。つまりやがて石垣島の観光ビジネスは、壊滅的な打撃を被ることになるのです。

 同時にその過程で無責任な土地開発が行われます。現在始まった新空港建設だけで、大量の土砂が河川に流れ込んでいます。その土砂が河川のヘドロとともに海に流れ込み、サンゴの上に堆積します。ちょっとした雨が降ると河口付近のサンゴの上に30cmほどのヘドロが堆積し、数日でサンゴと付近の海中生物は死滅します。その範囲がどんどん広がっているのが、現在の石垣島の状況なのです。新空港が出来るのが10年ほど後だそうなので、空港が出来たときには観光客がほとんど来ない島になっていることは、残念ながら予測を超えた事実と思われます。

 サンゴは森林同様、海水中の酸素を作っています。酸素がない海は、海洋生物が育ちません。透明度が高い水は、海中微生物がいないことを意味しますし、それはそれを食料とする生物が成育できないことを示します。そういった生物がいないということは、大型の海洋生物も育たず、結局死の海となります。それが石垣の現状ですし、世界中に広がっている温暖化の顕著な兆しなのです。

 サンゴを守るためになにができるか。 これは我々全世界の人間が真剣に考えなければならない、重たい課題なのです。

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・中小VB育成 大手金融機関と協力 矢矧コンサル 融資組み合わせ
・IC乗車券の国際相互利用 採用方式 足並みに乱れ 搭載ソフト「早期」「拡張性」
 で溝
・バルマー氏 手痛い挫折 ヤフー、グーグルと組む
・国際標準規格でIC決済を実験 ソフトバンクや米マスターカード
・節水便器 海外シフト TOTO成長持続の条件
・IT技術で温暖化対策を サイバー犯罪防止へ連携
・AV機器向け無線リモコン規格 新たな機能盛り顧客満足高める
・先進地大連 瑞安が進出
・開発事業の利益率高まる 情報システム大手 改革効果鮮明に

 さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。