1月第4週目のWeekly reportです。
今週いよいよ、第44代合衆国大統領バラク・オバマが誕生します。
世界経済が破綻した今、多くの国々がオバマ新大統領の経済施策に期待をしていますし、これがキッカケで世界の経済秩序が回復することを祈っているようです。さまざまな経済学者
が考えても経済復興のキッカケが見つからない今、オバマ新大統領の経済施策によって米国の景気が上向き、それが世界経済復興の原動力となることを多くの人が期待しているように思われます。それ以外に、有効な方策が見つけられないというのが真実なのかも知れません。
しかしながらこれは、非常に危険なカケかも知れません。仮にオバマ大統領の施策が効果を発揮できない場合、世界は打つ手を失い、このまま混乱を拡大してしまうことになるからです。さまざまな施策を講じても万が一景気が浮揚しなかった場合は、世界は当面の
復興の決め手を失うことになります。
たった一人の個人に世界をゆだねるのは、本人にとっても、世界にとってもあまりに重く危険な策に感じてしまうのは私だけでしょうか。
とはいえこれまで折に触れご説明したとおり、残念ながら経済は縮小しています。実際の働きが作り出す経済ではなく、マネーゲームが作り出す経済がこれまで世界を支配していました。そのゲームが破綻した当面は、実際の働きの規模に近い規模まで経済の縮小は続くのでしょう。となると我々は現実を見直し、進化の速度を少し緩めるよい機会に至ったのかも知れません。
オバマ次期大統領は、CO2の排出レベルを、1980年代にまで削減することを公約しています。色々思い出してみると、我々にとって望ましい速度は、1980年代であったのかも知れません。私の知っている1980年代は、調べものをするために2〜3日を要する時代でした。たった一つのことを調べるために時間をかけて図書館に出かけ、目録と勘で知りたい情報を記載している本を探す。その情報を得るために机に向かって書籍を読み、帰りの道すがらの喫茶店で一息入れながらそれを考える。その中の疑問をまた次の機会に調べ、というゆっくりした速度が1980年代でした。また大学の休講情報を知るために、大学にまで行く必要があるのが当時でしたし、それによって往復数時間、場合によっては一日をつぶしてしまうのが1980年代でした。たった一枚の欲しいレコードを探すために、数週間の時間と労力が必要なのが当時だったのです。今こそ我々は、その時代に立ち返る必要があるのかも知れません。
もちろん私はどこかの学者さんのように、ITが世界を悪くしたとも思っていませんし、世界を我々の手に取り戻すために、テクノロジを棄てようとも思いません。これからますますITは必要とされますし、どんどん進化すべきだという考えはいまだに変わっていません。しかしながら我々の生活そのものは、1980年にスローダウン
すべきだと思うのです。つまりスローダウンと利便性の追求を両立していくのが、これからの課題に思えるのです。
それはどういうことか。ほんとうは今回、このテーマとその方策であるスマートなワークシェアリングのあり方を説明しようと思っていました。しかし来週の仕事の準備で、突然まるまる週末三日間の時間を奪われてしまっため、ご説明することが出来ません。失業をなくすために、三人分の仕事と給料を五人に分けるという消極的なワークシェアリングでない、スマートなワークシェアリングのあり方
と我々の日々のあり方は、次回詳しくご説明いたします。乞うご期待!
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今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・「世界一」へ多難な船出 パナソニック、投資見直し
・ボーイング受注半減 昨年662機、エアバスに軍配
・ファミレス時代の落日
・米ヤフーCEOにバーツ氏 ヤン氏との距離 焦点に
・小型化と大容量両立 無接点コイル 東光
・米穀物メジャー 業績減速 農産物価格が急落
・クラウド+端末時代へ マイクロソフト 最高研究・戦略責任者マンディー氏
・景気後退化のIT投資 富士通、確実に需要狙う
・米鶏肉事業 苦境に 飼料高・供給過剰で タイソン 減産遅れCEO退任
・夜行塗料、世界中の時計に センサー・創薬支援進出 根本特殊化学
・廃品粉砕器何でも宝に ネジ締め一つ独自の工程 耐久20年以上強み
・携帯 不正契約排除を徹底 割賦が諸刃の剣
・2つのミス ノーテル"断線" カナダの老舗通信機器 破綻
さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。