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Weekly report
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 March Fifth week

 3月第5週目のWeekly reportです。

  今週はちょっとだけ休暇を取って、仙台にいっていました。一泊は仙台市内、一泊は仙台西部にある作並温泉に泊まりました。作並温泉は由緒正しい古い温泉のようですが、たまたま泊まった鷹泉閣岩松旅館という老舗旅館のあり方に、少しだけ驚きを覚えました。

 作並温泉は宮城では比較的古い温泉のようですが、いわゆる温泉観光で成長してきた街のようですので、大型の温泉旅館が数多く建ち並びます。今回の鷹泉閣もその一つであり、結婚式場や大型を備えたいわゆる温泉旅館でした。この旅館の特徴は建物から100段ほどの階段を下りた峡谷の一番下の清流わきに湧く天然温泉の露天風呂であり、室町時代とか鎌倉時代からつづくものだそうです。私が到着した日は到着の寸前からものすごい雪になり、その雪で真っ白に染まった峡谷を眺めながら露天風呂につかれるという本当に素晴らしい体験が出来ました。

 でなにに驚いたのかというと、その老舗旅館に勤める従業員の年齢構成です。おそらく平均20代半ばであり、本当に中年や年寄りがいません。フロントや下足番はもちろんのこと、仲居も年齢が若く、本当にきびきび働きます。それぞれのフロア担当の仲居がいましたが、心付けを受け取らず本当に新鮮できちんとした接客態度でした。年寄りの仲居にありがちななれなれしさや押しつけがましさが無く、本当に気持ちよいサービスを受けられました。

 こういったサービス業は、一般に経験が重視されます。しかしその経験はともすれば慣れにつながり、顧客の気持ちや居心地の良さをあるいみくみ取れないサービスが提供されたりします。それに対してこの旅館は、教育によってその経験の差を埋め、同時に人件費の圧縮という効果を上げていたのです。現に若者が一生懸命サービスを提供していると、その経験からサービス品質が必ずしも完全でなくても応援してしまう気持ちが生まれてしまいます。ましてやこれが老人であれば、孫のような年齢の若者が頑張っていれば、多少の不備は我慢できてしまうでしょう。これは素晴らしい考え方です。
 もちろんすべての経営を若者が担っているわけはなく、実際は見えない世界でたくさんのベテランが働いているのでしょう。しかしそれはあくまでも客から見えない世界で管理行為を行う部分だけであり、実働部隊は教育された若者が担うという新しいスタイルをこの旅館は実践しているように思いました。現に楽天やじゃらん等で高い評価を得ているようであり、このサービスのあり方を評価する宿泊客は少なくないことを意味しているようです。

 景気の減退で、こういった老舗旅館は本当に高級路線に向かうか、あるいは低価格路線を走らなければならないのが普通ですが、その中でこの老舗旅館の取り組みは一つのビジネスモデルを示してくれました。景気の後退によって派遣労働者問題など雇用の問題がたくさん出ていますが、ここに何らかの再生のヒントを見たような気がしました。単に安い労働力に頼ることなくきちんとした役割分担を行い、その裏で誰もがサービスを提供できるように教育を行う。年功序列という過去の慣習を見直し、働きと賃金という当たり前のことを再考し、その中でベテランが果たすべき役割を見いだし役割分担を行う。その中で能力の低い人間を単純に解雇することなく、教育と役割変更によって雇用を創出する。世界的には当たり前の行為を行うことが、この混沌とした時代を乗り切り、衰退産業が再生の道を歩む第一歩になるような気がしてなりません。

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・東芝、SSDと併用狙う 富士通の事業買収 ストレージの陣容整う
・BMW、10万台下方修正 ダイムラーと部品共同調達 コスト削減へ拡充
・電子回路 印刷で安く インクに微粒銅 素材価格、銀の1/10に
・外資、新BS放送に照準 ディズニー免許申請、コンテンツ総動員 地上波広告を取込
・ツイッター利用急拡大 米ミニブログ最大手 デルなど販促に活用 買収観測も浮上
・住宅 ミニバブルの傷 公示地価3年ぶり下落 団地立替急ブレーキ
・デル、企業内クラウド開拓 マイケルCEO会見  IBM サン買収なら商機
・300メガの高速無線LAN Wi2、ビル内に情報配信
・再生法を申請負債総額50億円 アーバンエステート
・ナノ悪路での発進 印タタが世界最安車 業績低迷、陰るブランド力 「価格破壊」諸刃?
・電動バイク VBが道開く リチウムイオン電池 充電2時間100キロ走行
・カルピス、バター再値上げ 5月から4%
・情報責任者育成を支援 NTTデータ 教材作成など協力
・本購入「減った」3割 時間・お金の余裕少なく
・フェデックス 追加リストラ 12〜2月減収減益 急送便見直人件費も圧縮
・日本郵船、87%減益に 今期、特損860億円計上

 さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。