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 April Fourth week

 4月第4週目のWeekly reportです。

  先週は期せずして、おじいちゃんウィークになりました。木曜日にはこのホームページでもご紹介いたしました寺垣氏を訪問し、制作をお願いしていたスピーカーを受取がてらいろいろとお話しをさせていただきました。

 前回は多くの方と一緒に訪問をしたため、一対一のお話をする機会をあまり得ることが出来ませんでした。しかし今回は一対一でお会いできたため、いろいろとお話しを聞いてみました。その詳細は省略しますが、十分な経験に裏付けられたカンのすばらしさを感じることが出来ましたし、ロジカルシンキングのなんたるやを思いっきり痛感させられました。特に究極のプレーヤーを発明する際に、その舞台としてどうしてオーディオテクニカ社を選んだのかという話しには、本当にビックリさせられました。まさかという理由だったのですが、それを一言「カンですかね...」で片づけられていたのには笑わせられました。

 お譲りいただいたスピーカは本当に素晴らしく、物質をそのままならす物質波スピーカーそのものの特性を感じられます。まだまだ若い機械なのでこれから少しずつ育てていく必要はあるのですが、今後が楽しみです。無理を言ってスピーカーにサインをしていただいたのですが、「スピーカーにサインをしたのは初めてです....」とおっしゃっていました。
 

 金曜日の晩には青山のブルーノートで、私の好きなグループであるFourplayの演奏を聴いてきました。リーダーのボブ・ジェームスはなんと70歳、ラリー・カールトン(Mr.335)とハーヴィ・メーソンは60歳超、一番若手のネーザン・イーストですら54歳ですから、立派なおじいちゃんバンドです。しかしその元気なこと元気なこと....

 演奏はいつも通り圧巻でしたし、1曲目から本当にノリのよい演奏でした。全員がソロで名をなしたプレーヤですが、その彼らが自己主張をせず楽しんでプレイをしているので、心地よい時間が流れていました。テクニックや主張をひけらかすのではなく、純粋に音を楽しむ。それも演奏者自身が音を楽しんでいる空間に、観客も混ざって一緒に楽しんでいる。こうしたライブが本来あるべき姿を、改めて実感させられる時間となりました。ライブには往年の「ザ・スタイリスティックス」のメンバーも聞きに来ており、ネーザン・イーストは「伝説のバンドの前で演奏するのは、本当に緊張します。」と言っていましたっけ。

 アンコールはラリー・カールトンの名曲である「Smiles and Smiles to Go」とボブ・ジェームスの「WESTCHESTER LADY」でしたが、いつものとおり「WESTCHESTER LADY」での全員によるフレーズの掛け合いが最高でした。これはボブ・ジェームスがピアノで奏でる即興メロディを、N・イーストのベース、L・カールトンのギター、H・メーソンのドラムスで再現するものであり、それぞれの解釈と卓抜な技術、そしてユーモアを感じられる最高の演奏でありました。
 

 このように老人の元気さを痛感した一週間でしたが、それによって今後の社会のあり方もいやがおうにも考えさせられる結果となりました。今後当面の日本は間違いなく高齢化社会であり、その時代が終わった後にどのような社会が訪れるのか誰にもわかりません。しかし現在のひずみは若者社会が終焉したことを意味しますし、若者社会の常識が通じない時代が到来したことを意味します。
 かつて定年は55歳でしたが、それは60代で亡くなる老人が多かった時代の名残です。現在の平均寿命は80歳に到達しようとしているのですから、70歳定年も非現実的な話しではありません。お年寄りのモチベーションと生活をいかに維持するか。これは当面の日本の課題となります。しかし同時それは、現在の日本では若者の職業機会を奪うことを意味してしまい、必ずしも素晴らしい制度とも言い難いところがあります。こうしたひずみを考え直す必要が、いままさに生じているのです。私自身、ビジネスの世界から団塊の世代を駆逐することが大切と主張する一人ですので、高齢者の職業問題について簡単に結論は出せません。しかし生活すら保障されないまま、年齢を理由に企業から高齢者を遺棄することは社会として許されることではありませんし、一部の老人の持つ卓抜な技や知恵を継承しないのは、文化や進化への冒涜といえるでしょう。かといって老人が老害を垂れ流すのは、若者の活力や発想を縛ることになるため許されることでもありません。したがってすべての世代が共存できる社会のあり方を、我々は考える必要があるのです。

 老人と若者が共存できる社会の姿は、これまで日本で考えられてこなかったのかと言えば、そうではありません。以前お話ししたように、京都の錦市場では三世代(老夫婦、息子夫婦、孫)が同時に働いている姿をたくさん見ることが出来ますし、そこに技の継承と役割分担をみることができます。これは数百年続いた日本の姿であったように思いますし、生活でもあったのです。しかし戦後入ってきた企業文化においてはこういった考えがなかったため、現在のひずみに繋がっています。企業文化には老人はいませんでしたし、終身雇用/年功序列の世界で十分な退職金が保証されていた頃には、こういったひずみは問題にならなかったのです。

 バブルの崩壊とともに崩れた企業文化は相変わらず迷走の様相を呈していますし、不況の中で弱い者を切る風潮がさらに強くなってきています。だからこそ我々は、今まさにこの問題を片づける時に直面しているのかもしれません。 

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・粉飾問題の印サティヤム IT中堅が買収 テック・マヒンドラ 582億円、入札勝利
・読書端末、じわり浸透 電子ペーパー、カラー対応 コンテンツ増え需要
・若者の車離れ進む 大学生、「興味」の17位に 免許取得意識は根強く
・大手塾、中学受験にシフト 高校進学の収益モデル限界 「中高一貫」増え先細り
・花粉症にワクチン 理研など 医薬品かへ治験
・日本適合の低燃費技術 VWJ、1年以内に投入 ブレーキ時エネルギー蓄積
・「血流」で入退室管理へ アンプレット、心電計試作 ICカードの携帯不要
・米セールスフォースのサース基盤 ローソンが採用
・人員、「ネクスト」に重点配置 USEN2500人削減 VOD配信に強み
・カンタス航空1750人削減 1−6月期、営業赤字転落へ
・楽天、PHS参入 法人向け 固定電話並み低料金
・「選択と集中」戦略陰り 蘭フィリップス再び赤字転落
・「日の丸」スポーツカー 性能・価格で世界席巻
・うつなど休職者の復帰を支援 セーフティネット 定期面談で再発防ぐ
・サン、SGI・・・落日の名門 米IT業界に再編圧力 受け継がれるDNA
・未来船、2030年に出港 日本郵船 動力は燃料電池と光・風
・デル、PC苦戦 世界出荷台数16%減、辛くも2位 台湾エイサーが猛追 HP首位維持
・マイクロソフト、サースで攻勢 「ソフトウェア+サービス」前面に 使い分けで顧客に利点
・パワーアシストスーツ 腕型、動きなめらか 東工大開発 義手への応用目指す
・SSD、進む低価格化 HDDと同程度に? 書換や保持に課題
・シニアの専門性生かせ 年配社員増、ポストは不足 環境支援・若手の相談員
・ユニゾン、アデランス再建へ連携 経営に深く関与の姿勢 スティールと委任状争奪も

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。