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Weekly report
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 June First week

 6月第1週目のWeekly reportです。

 新型インフルエンザはいよいよ下火になり、電車の中のマスク姿も徐々に減り始めていることを実感します。もちろんマスクの備蓄がいよいよ終わってきた、という事情もあるのでしょうが、それでも実感としてマスク姿は減っていますし、繁華街も徐々に賑わいを取り戻している気がします。日々の報道も減っており、新型インフルエンザもいよいよ収束に近づいているのかも知れません。今回の新型インフルエンザを総括するのはまだ早いと思いますが、この騒動の影でいくつか気になることがありました。

 まずはマスコミの報道です。マスコミの報道が過熱するにつれ、ヒステリックな反応をする人が増えた気がします。報道として人数を伝えるのは大切ですが、どうも恐怖を過剰にあおり立てる報道が多かったように感じます。その報道で「マスクは予防に大切」と報じ続けた結果、マスクが市場から消えてしまったように感じます。私が一方をこのホームページに記載したのが5月3日であり、品薄とはいえその前日にはまだマスクを購入することが出来ました。しかしその後の報道の過熱に伴い、街中からマスクが気を失せてしまいました。
 マスコミが正しい情報を伝えることは非常に大切なのですが、客観的検証を行っていない主観的な情報を流布することは決して望ましいことではないように思います。さらに面白がった誤った情報の流布が市民の常識を作ってしまうことは、危険なことと認識しなければなりません。マスコミはオイルショックの際に、その失敗を起こしていることを知っているはずです。(石油が高騰が予想されたとき、トイレットペーパーや消しゴムが市場から消えました。)とすれば、各マスコミが真摯に事態をとらえ、正しい情報を報道する必要があるはずです。

 また気になったことは、企業の姿勢です。マスク着用を義務づけた企業は結構多かったように思いますが、この真意をはかりかねました。5月半ばに、厚生省はマスクは「感染者がウィルスを拡散させることを防止するには役立つが、予防には効果が低い」という点を提示していますが、にもかかわらずマスク着用を義務づけた企業は多かったように思います。その企業の真意は、問題が起きたときに責められたくない、といったものが多いように思われますし、実態をきちんと考えたものとはとても思えませんでした。
 厚生省が感染防止に効果は低い、といっている以上、マスク着用を義務とする企業は、自らの社員に感染者がいることを予測していることになります。むしろその可能性がある人間を多くの人と接触する現場に立たせること自体が、大きな問題のように私には思えます。逆に多くの人物と接触する機会が増えれば感染の可能性が上がるのですから、マスクをした人間を他者との接触がある職場に立たせること自体に問題があるように思えてなりません。さらに万が一にもお客様が感染していた場合、社員を経由してお客様にそれを拡散させないためという大儀を振りかざすのなら、マスク不足のこの現状をどのように考えるのでしょう。社員を経由した媒介は防ぐが、一般の人を媒介とする感染はどうでもよい、という姿勢が私には見えてしまいます。大手企業が多くの目に触れる社員や職員にマスクを着用させることは、低毒性が明らかになっているこの現状では、どうみても事態をあおり立てているように思えます。
 私自身も、某社セミナーでは講師にマスク着用が義務づけられているため、初めて2日間マスク着用でセミナーを実施しました。このルールは、私のようにマシンガントークを行う講師を前提としていないことが、骨身にしみてわかりました。なぜなら、口からのつばと湿気でマスクがすぐにぬれてしまい、それが口と鼻をふさぐ状態になるため、何度か酸欠で死にかけましたので。ぬれた布で口をふさぐのは暗殺の古典的手段ですが、自分でそれを実践してみるとは、夢にも思いませんでした。

 最後には、医療機関の対応です。その危険性がある患者を見逃す、逆に可能性があるだけで拒否するなど、医療機関がパンデミックに十分な対応が出来ないことが明らかになりました。低毒性で感染力が弱い状態でこれですから、感染力の強い強毒性のパンデミックが起きた場合、現状の体制ではどうにもならないことが明らかです。医者や医療機関の増加や整備には時間がかかりますし、おそらくはそう簡単には対応が不能と思われます。となると、我々自身が自ら対応をとらざるを得ませんし、ITをつかった仕組みを、一日も早く実現することが望まれると思います。

 季節は梅雨に入ろうとしています。湿度で感染拡大は押さえ込まれるでしょうが、おそらくはこの冬が勝負です。この半年に、問題を解決できるか。来るべき危機を乗り越えられるのは、この半年の行動にかかっています。

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・日本IBM、契約9割更新 仮想化や海外拠点活用
・大衆薬ネット通販規制 2年容認案変わらず 厚労省が最終検討会
・新型インフル拡大懸念 IT業界、対策支援を加速
・運転安心、ビール風味飲料 キリンビール「フリー」 発行させず「0.00%」実現
・タタ依存脱却 自前で通信網 NTTコム、海底ケーブル買収発表 容量の安定確保狙う
・地銀8割、コスト割り勘 持たざるIT進化するアウトソーシング システム共同化
・オフィス防犯IP電話で 「ウィルス侵入」心配いらず
・焼酎かす、安くエコ処理 飼料にリサイクル 海洋投棄禁止で重要拡大狙う
・ウォークマン、運動のお供 ヘッドホン一体型 ソニー 耳にかけたまま曲検索
・eラーニング、13年に31%増 法人市場08年比
・量子コンピュータの素子 誤差発生、数十分の一に 米国立標準技術研 理論、初の実証
・カーシェア普及 大手がアクセル 駐車場 陣取り合戦加熱
・治験なく、医師に不信感 ジェネリック飛躍なるか 経済的利点と情報開示必要
・「脱ネット」へ異業種提携 NTT光回線テコ入れ 生保・警備・家電業界 ライフラインか狙う
・米ザッポス・ドット・コム 靴通販サイト 「返品1年」安心がシュー客
・採血せず 痛みなく 血糖値測定 シスメックス実用化目指す 微細針 腕に”スタンプ”
・通信「クラウド」に名乗り NTT開発費450億円・IIJ新設備・・・ インフラで普及後押し
・部品・資材の調達先半減 ソニー、コスト2割削減 次は成長戦略提示の番
・ICタグ、消費者向け照準 低価格化で用途拡大へ 

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。