8月第2週目のWeekly reportです。
今年は本当に雨の多い日が続きます。またしても台風が近寄っており、早くも各地で被害が出始めています。台風8号は石垣島などの八重山諸島に影響を与えた後、大陸沿岸を北上中です。ひょっとすると今後、日本海側に影響を与えるかもしれません。台風9号は太平洋を進行中であり、日本全国に大きな影響を与えそうです。関東も月曜日から火曜日にかけて雨量が増えそうですし、ひょっとすると関東をかすめる可能性もあるようです。
日本は四季がはっきりしており、梅雨にしとしととした雨が降り続き、夏の日照の後に強い夕立がふることがこれまでの常識でした。数年に一度は秋の長雨があり、これらの雨量が農作物や自然を豊かにしてきました。都市部だけでなく田舎の町村も、この雨量をベースとした環境が整備されており、大きな問題が発生することは少なかったといえます。例外的に河川の氾濫はつどつどありましたが、高度成長期以降護岸工事が進んだため、自然環境を破壊した代償は残るとしても、河川氾濫による被害の可能性は下がっていきました。
しかしこの数年、あり得ない水害が各地で発生しています。農村部の広範囲な地滑りや地崩れがこれですし、都市部の氾濫や浸水がこれになります。その結果たくさんの人命が失われ、生活環境が破壊されています。さらにその水が海中に流れ込むことで海洋環境も激変し、赤潮などの被害が大量に発生しています。つまり昔からの自然を前提に作られた日本の生活環境が、この自然の変化の前で見直しを余儀なくされているのです。この雨量が意味するのは、温暖化であることは誰の目にも明らかです。となるとこの雨量は今後も続きますし、場合によってはこれまで以上に被害を大きくする可能性も高いのです。(温暖化の影響でこれまで以上に海中の水分が水蒸気化し、降雨の可能性を高めているようです。)
都市部はともかくとして、農村部にとってこれは深刻な問題となります。全般的に高齢化が進んでいる農村部では、こういった対策を行うことも、投資を行うことも難しいといえます。税収が限られ、面積の割に世帯数が少ない現状では、リスクに対して積極的な投資を行うことは現実的ではないかもしれません。かといって災害が発生した場合は、膨大なコストをつかって救助と復旧をはからなければならないことも事実なのです。今後も温暖化が進んで異常降雨が続くことを前提とすると、消極的対策を連続して行うことが果たして効果的なのか、本気で考えなければならないように思います。そうでなければ、高齢化の後には日本中にうち捨てられゴーストタウン化した農村が急増してしまうように思われます。
農地法が改定された今、企業が農業を始めることが可能になりました。となると、農村部に若い人間が戻っていく可能性があります。となるとそれをキッカケとして、現代における新しい農村部の街作りを真剣に考える価値はあります。全国各地の知事が地方自治を叫ぶ今、こうした積極的な取り組みが住民を増やし、日本経済を立て直すひとつのキッカケになるように思われます。そこでもしITを積極的に活用できるのであれば....日本の農村部は、世界中の未来の農村部のモデルになる可能性があるように、私には思
えるのです。
我々ITエンジニアにとって、また新しい検討課題が生まれたようです。
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今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・IT大手四社の4〜6月 サービス堅調 ハードは不振
・コクヨS&T 遺言書作成キット増産 生産・扱い店舗2倍に
・ネットスーパー 楽天が本格展開 食卓.jp 東急ストア出店
・元ラリー王 EVも先導 孤独な挑戦 海外との連携花開く
・プロジェクター内蔵 ニコン 有機EL搭載品も投入 デジカメ、脱・画素競争
・東芝 成長軌道へ構造転換 開発はコスト最優先 「環境」から第四の柱
・クラウド、ITを一変 グーグル、開発牽引 MSは今週立ち上げ
・クルマ大変革 カーシェアの効用"布教" RV全盛期、エコ確信
・NTT、4〜6月減収減益 ドコモの不振、影響大きく 成長事業、見あたらず
・プラス、海外開拓加速 情報保護スタンプ「ケシポン」 アジア:韓国など四カ国
・キメラ 精密部品の金型、同業も頼る 1万分の1ミリの職人技
・「IPV6」アドレス混在 NTT譲歩 解決へ一歩 総務省条件付認可
・日立、海外開拓を加速 情報通信、3社を完全子会社化
・映像ツール、医療に強み CG・アニメで訴求力
今週は、どんな一週間なのでしょうか。