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 November Second week

 11月第2週目のWeekly reportです。

 先日の新聞報道にありましたとおり、ビクターが音楽部門の売却を検討しているようです。先週のこのページにも記しましたが、ネット配信の影響と視聴者のライフスタイルが変化により、音楽市場そのものはどんどん縮小しているようです。いかに名門でも、この状況には対抗し得ないということなのでしょう。音楽市場のシェアトップ3はユニバーサル、そしてavex、ソニーであり、すべての企業に共通するのはテレビなどの販売促進が活発であること。こうして強者が強力な販売促進活動によってシェアを固め、弱者は排斥されるという構図が生まれます。ジャック・ウェルチの主張が正しいと思いたくはありませんが、やはり強い事業以外は選択と集中により社内から排除し、コア・コンピタンスを中心としたビジネスに特化していくのが大切な時代になってしまったようです。

 同時期にトヨタも昨年のホンダに続きF1撤退を発表し、ファンには淋しい状況が続いています。金食虫の宣伝事業よりも、将来に向けたテーマ(エコや次世代自動車)に研究開発資源を投下する。これは正しい選択のように思えます。しかし同時に、文化という側面では、やはり 淋しく悲しい感情が残ります。F1といえども、自動車の歴史が作り出した一種の新しい文化活動だからです。

 世界の多くの文化は、その昔から金持ちが無償の資金援助することで築き上げられたものであり、現代でも採算を度外視した企業や個人の志が必要となります。バブル期に「メセナ」という言葉が流行りましたし、その影で世界中の名画を買いまくったのが日本企業です。しかしそれは本当の意味の文化育成ではなく、節税対策や投資行為だったように思われます。つまり最近の企業には、文化育成に対する意識が低いというのが特徴です。日本 でも、昔から「タニマチ」や「旦那衆」といわれる金持ちが見栄半分でそれらの文化育成の一助となっていましたが、現代企業はそれほどの意識も志もありません。余剰のお金があるうちはそういったものに投資はしますが、余剰がなくなればさっさと撤退する。これが現在の日本企業の姿です。現にバルブ崩壊後、多くの 企業が文化活動から撤退してしまいました。

 もちろんその責任は、企業だけにあるわけではありません。投資家の強い圧力が、こうさせているのも事実です。すなわち余計な金を使うぐらいなら投資家に還元すべきというのが、現在の世界なのです。将来の大きなバリューではなく、 今の1銭を強く要求する。これが現在の投資市場のスタンスでしょう。しかし文化という観点で考えれば、こういった拝金主義が人間性や芸術 の萌芽を見事に棄損してしまっているのです。投資家が目先の1銭を要求せず将来の100円を期待するようになってもこういった文化は守られるのかは疑問が残りますが、現状のように徐々に節操を失う状況には 少しかもしれませんが歯止めがかけられるように思います。

 いずれにせよ、リーマンショックは特に日本企業に深い傷跡を残しました。その影響を初期に軽視した日本の元保守政党には不満を感じますが、この傷跡を教訓に、日本企業が今後どのような歩みを始めるのか、慎重に見続ける必要があるようです。F1を撤退したことにより世界人類の希望や文化を後世に残せるよう、撤退した自動車メーカには期待したいものです。

 しかし私も...文化に貢献できているのだろうか...正直疑問が残ります。しかし今日は友人の芝居を見に赤坂に行きます。年内はもう一つ芝居 に行き、できればブルーノートにも出没予定です。私に出来る文化貢献は、こんなものしかないのが恥ずかしいところです。

 閑話休題。

 私事で恐縮ですが先週月曜日、下の子が学校からの帰宅後不調を訴えました。体温を測ると、38℃。すぐに布団に入れて寝かせましたが、夜半から熱が上がり39℃台に。呼吸も苦しそうですし、眠りも浅いようです。「こりゃひょっとすると...」 3時頃からインターネットで調べると、まさに... そうです、とうとう我が家にも、新型インフルエンザが襲来してしまいました。下の子は喘息の既往症があるため心配していたのですが、やはり相当に呼吸が苦しそうで した。結局早朝に酸素タンクを事務所より搬入し吸引させました。(実は酸素インストラクターである私は、医療用の酸素吸入装置一式を持っています...)

 火曜日は祭日であったため、朝の6時頃に市の新型インフルエンザ対応窓口に問い合わせ。状況を伝えると、その症状であれば9時に診察しても問題なしとのことであったため、8時半頃救急病院へ。9時診察開始のためまだ病院は空いていましたが、その後続々と患者が入ってきました。診察を受けるとやはりH1N1型インフルエンザであり、リレンザとその他の薬を処方され帰宅。帰宅後どんどん熱が上がり、深夜には40℃近くにまでになったときには、さすがにどうしたものか思案しました。こちらとしては心配な限りでやはり熟睡できない一晩でしたが翌日未明から熱が下がり、午前中には平熱にまで症状が緩和しました。リレンザ恐るべし、という感じではありました。とはいえ私自身濃厚接触者で罹患の可能性はまだあるため、当面外出やセミナー稼働は自粛となりそうです。 (もちろん現在まで罹患を示す症状は出ていませんし、下の子もほぼ回復しました..)

 皆様も、十分にご注意下さいますよう。

P.S.

 ジャイアンツが、7年ぶりの日本一になりました。私の中学の先輩で地元の名士である原辰徳監督に、心から祝福をお贈りしたいと思います。しかし原監督を見るたびに、今の時代の新しいマネジメントの姿を体現しているように思えます。若い力と ベテランの力を上手に使いこなし、「ジャイアンツ愛」というい気恥ずかしい標語を臆面もなく使い皆をまとめていく。時に鬼となり鉄拳制裁、しかし同時に外部の雑音をはねのけて、 不振の選手を信頼して使い続ける。また積極的に若手を使うだけでなく、要所要所でベテランの力を上手に使う。本当にこれまでになかったマネジメントの姿ですし、今後の若者を使いこなす際に参考にすべきモデルのようにも思います。もうすこしじっくり、このテーマを追求してみたい、と思わされる一夜でした。

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・ドコモ、1820万台に下方修正 携帯販売今期計画
・電子看板が小売り救う? 消費者刺激策へ活用策探る
・医事会計・電子カルテ統合 PCAが新ソフト 中小診療所向け導入コスト半減
・社員証ICカードホルダ「アイケース」 スキミング防止手軽に スイッチ一つで認証有効
・「顧客視点」師はマイケル? ソニー、今期営業損益を上方修正
・NTT、家庭IT化再挑戦 デジタル家電連携六社タッグ 来秋商用化「光」需要喚起狙う
・演劇・歌舞伎・・・撮影し上映 広がる「シネマ観劇」 ファン開拓に威力
・提携戦略、見直し必至 米航空大手、軒並み減収 7〜9月 コンチネンタルは連合鞍替え
・ブリヂストン、F1撤退 「看板より環境」シフト エコタイヤに資源集中
・エネルギー消費量 USJ、施設毎に測定 計測器150器を設置
・パナソニック、きょうからTOB開始 環境車電池は「三洋主導」
・生き残りへ「変身」急ぐ JVCケンウッド 「音楽ソフト」売却検討
・日産、「危機」モード緩和 今期一点営業黒字へ 反転攻勢へ「4階層戦略」
・アプリ情報共有サイト iPhone用 ジークラウド
・ノキア、最大5700人削減 不振の通信機器部門 黒字回復急ぐ
・3工場閉鎖1600名を削減 米インターナショナル・ペーパー 北米、印刷紙など不振
・16路線廃止を発表 日航、来年6月までに
・ネット広げ社会貢献 フリービッド ”師”ソニーに並ぶ夢

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。