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 February Fourth week

 何となく盛り上がりに欠けるオリンピックが続いています。と思っているのは私だけかもしれませんが、スポーツの祭典の意味を問われる時代に入っているように思います。

 もともとオリンピックは国威発揚の意味合いがあり、平和を目指す世界情勢であればあるほどこういった非武装の競争で国威を発揚する必要が生じます。しかし先日の事業仕分けにあったように、日本という国はいまだに島国根性が棄てられず、世界の中での日本を考えることが苦手なようです。世界で国威を発揚する必要はない、それより今は国内を整備すべき、などというもっともらしい短視眼的なものの見方が間違っていることに、我々は気づかなければなりません。

 日本人が日本という国のことを真剣に考えるのは当然のことと思うのですが、敗戦後のさまざまな反省の中で、いつしか日本という国を考えることが右翼化につながるという誤った認識が広がってしまったようです。右翼化は望ましいことではありませんが、さりとて国民一人一人の幸せに繋がらない個人主義の台頭に伴う無関心さを生んでしまったこの流れは、今すぐ改める必要があると考えます。もちろん頭のいい感性が豊かな若者はこの状況に気づき始めているようですし、その意味で福祉活動や国際貢献につながる草の根的な活動を積極的に行っていることは素晴らしいと思います。しかし日本を動かす中堅以上の層にその考えが薄いのが、現在の日本の最大の問題なのでしょう。

 IT業界も、例外ではありません。いまだに日本市場にしがみつこうとしていますし、中国やインド初めとする海外企業を、安い外注企業と考えてしまっています。そこに学び、そこで生きるという意識は低いですし、真剣さにも欠けます。日本という国が製造業の技術で世界を相手にして伸びたように、IT業界も世界を相手にしていなければなりません。その第一歩として、負けてもいいから世界に学ぶ、そして学んだことを無駄にしないように積極的に改善行為を行う。そして考えて、考えて、考え抜いて、次の方策を積極的に打ち出す。これができなければ日本のガラパゴス化はさらにすすみ、オリンピック同様世界でまったく勝負できない国になるのでしょう。

 オリンピック選手に国が支援をする。これは世界で戦うIT企業に国が支援することと同じと考えます。積極的な保護と、それ以上の個々の努力が、世界で勝てる選手や企業を作るはずです。どちらか片方の努力ではやはり世界では勝てませんし、それは世界中のスポーツ選手や企業が証明しています。となれば、我々はそれに気づき、国際競争の中で戦える仕組みを国全体として産み出していかなければならないのです。 かつて米国は小麦の消費量の伸びが止まったとき、敗戦国である日本に目をつけました。日本の食事に小麦を持ち込み、米国小麦の安定消費国にさせる。この国策によって日本の学校給食が始まりましたし、その証拠に近年まで学校給食の主食はパンでした。米の消費が落ち込み、古米、古々米が溢れてもパン食は続き、毎年膨大な量の小麦が米国企業から輸出され、日本という国の手によって学校で消費されました。これが、仕組みの巧みさです。

 オリンピック選手を、国民全員が積極的に応援する。そのためにまず、世界で戦える選手を国一丸になって育成する。国内の優秀な選手を集め、切磋琢磨させ、そして世界に送り出す。それと同じように、先端企業を国民全員が積極的に応援し、切磋琢磨の競争を促す。そしてやがて、世界を舞台とした競争にチャレンジさせ、やがて世界で勝っていく。これが今、日本に一番求められていることなのではないでしょうか。

 優秀な個人でも、誰の支援もなければ世界で戦える選手にはなりません。同時にその選手が、世界で一番になるという決意と弛まぬ努力がなければ、やはり世界で一番にはなれません。支援とその上に成り立つ極限の努力。このメカニズムを国家レベルで作ることが経済を復活させる唯一のポイントと考えますし、一企業内でも同様のことを行っているか、真剣に反省し行動に移さなければならないのです。団塊の世代の前の日本人は、これを真剣に考え実行してきました。経済の世界でも、松下幸之助や 本田宗一郎の歴史から、それを学べるはずです。今の国谷企業を動かしている団塊の世代は真剣に反省すべきですし、反省の結果変われないのであれば次の世代に舵取りをゆだねるべきです。

 明日の日本の姿は、今日の努力と昨日の決意で決まります。我々は今日の努力をしているのか、そして昨日決意をしたのか、今自らに問わなければならないのです。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・新技術、異業種参入促進 EVが業界再編”先導” 50兆円市場 住宅産業の行方
・「企業内」次の主戦場に EMCなど米系連合参入 導入、最短で1日 クラウドが拓く
・世界で1000人削減 ヤマハ発新中計 生産拠点を大規模再編
・HIS「国内」という不安 ハウステンボス再建支援 集客、カギ握る”宿敵”JTB
・「おうちケータイ」時代 携帯フューチャー 固定との融合進む
・日本IBM、BIで攻勢 担当者500人に増強 海外事例武器に データ分析、意思決定
・ICカード、熱さ0.2ミリ トッパン・フォームズ 非接触型 新製法 アンテナ破損しにくく
・売上高人件費率 前期1.3% スカイマーク 操縦士の7割が出向者
・携帯OS各社 iPhone追撃 スペインで大型見本市 MS新製品7を発表
・有機ELテレビ国内販売終了へ ソニー 海外販売や研究は継続
・主婦の友社、電子書店公開 iPhone向け まず雑誌・実用書など投入
・CCCのユニファイドコミュニケーション 社員間の連絡迅速に 利着席把握、ウェブ会議も 
・全世界共通の管理職研修 マイクロソフト日本法人 部下育成・事業開拓が柱
・「ATOK」法人用で攻勢 日本語入力システム ジャストシステム 専門用語などカスタム
・国際会計基準導入支援 日立グループ7社連携 計画策定や構築一貫で
・iPhoneがカーシェア案内 オリックス自が専用ソフト AR活用 カメラ介し位置指示
・映像子会社の吸収合併中止 アミューズ システム面での統合遅れ
・シンクライアント管理・運用代行 英政府から受注 富士通系最低284億円
・HV、モーターは自前で 上昇パズル 「先生」はパナソニック 外部の知恵・デザイン活用
・メモリーカード世代交代 「SDXC」パナソニック先陣 最大容量2テラバイト 一気に60倍
・ウィルコム更正法申請 「携帯との競争、予想以上」 久保田社長
・携帯「主役交代」鮮明に 見本市 ノキアが出展見送り 中韓勢躍進 グーグルも登場
・不適切会計、迷走やまず JVCケンウッド 統合1年半 業績改善、道半ば
・独居老人見守り 時間や頻度、任意に アイビーエス 個人差に配慮
・ソフトバンク”三兎”ねらい ウィルコム支援 次世代PHS資金調達懸念も

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。