体調不良により、ちょっとばかり更新が遅れましたこと、お詫び申し上げます。
さて先日企業の景況感が発表されていましたが、設備投資などについてこの前期から上向きの傾向のようであり、情報システムに対する投資もこれに含まれるようです。となると、苦境のIT業界も今年後半から少しだけ薄日が差すかもしれない状況になったようです。とはいえ、日本全体の景気状況はリーマンショック後に予想した最悪のシナリオ通りになっていることは間違いありませんし、これに対して本気にさまざまな活動を始めなければならないことを強く意識させられました。
その記事と同時に、企業の設備の稼働率に関する統計も出ていました。そこで驚いたのは、自動車産業の設備稼働率でした。昨年に比べ製造業全体の設備稼働率は上がっているのですが、自動車産業だけは設備稼働率が下がっていたのです。この状況は非常に恐ろしい今後を,我々に教えてくれます。
自動車が売れないことはすでに知られていますが、とはいえ自動車産業は日本の基幹産業です。自動車によってさまざまな分野の景気が押し上げられますし、鉄を中心とした金属が多く消費されることから、経済全体の回転が強く回されてきたといえます。となれば、自動車の設備稼働率が下がっていることは、日本の産業の活力が落ちることを意味しているように思えるのです。
中国を中心とする世界的需要の高まりから、鉄鉱石の原材料相場が押し上がっています。そのため日本の鉄鋼メーカは自動車会社と交渉し、これまでの一年間固定の相場で販売していた鉄を、半年から三ヶ月単位に価格を変更する方式に改めることが決まりました。同時に今回トンあたり１９，０００円もの値上げをしており、自動車産業は非常に苦しい状況になります。最近の自動車は１．５トン近くの重量あります。その１／３に鉄が関わっているとすると、今回の値上げによって単純に原価が１万円引き上がったことを意味します。もし三ヶ月ごとに価格が改定され今回のように上昇すると仮定すると、なんと１年間に４万円もの原価が押し上がることを意味するのです。もちろん自動車そのものの価格は固定のため、都度都度販売価格を改めることはできません。となると、この状況によって日本の自動車メーカはますます苦しい状況に追い込まれるのです。
このように世界の動きの中で、日本の経済が繁栄します。逆に世界を意識した活動をできなければ、日本経済は相当なダメージを受けることも間違いありません。となると、経済の回復をきっかけとして、これからの世界の動きを考える必要がありますし、その中で日本はどのようなモノ作りや販売を考えるべきかのか、真剣に考えなければならないタイミングがきているようです。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・賃上げ圧力、部品にも 中国「鴻海ショック」 ＥＭＳ大手 受託費上げ観測
・NTTデータ シンガポール社を買収 金融向けシステムを強化
・「不払い」克服へIT活用 病院、回収の流れ「見える化」
・コンテック 電子看板向けコンピュータ ファン使わず壊れにくく
・中古車営業にｉＰａｄ バリバー、訪問宅で利用
・「リーフ」を街の蓄電池に 次世代送電網を後押し
・ドコモ発信源 インド携帯市場 国際競争激化 ＡＴＴや南ア最大手 現地２位に出資
・不動産仲介情報 ｉＰａｄへ配信 アットホーム,業者向け
・電子書籍端末を共同生産 LGディスプレー アイリバーと ＯＥＭ供給狙う
・情報サイト各社課金モデル模索 グルメ、レシピ、Ｑ＆Ａ ｉＰａｄ期に無料脱却へ
・カプセル内視鏡拡販 ギブン日本法人、まず小腸用 年６万個需要見込む
・「不屈」エンジン ＮＥＣの宝刀に 技術力、世界に示す 海外向け営業強化
・オフィスでコピー紙再生 デュプロ精工が小型機 泡でインク除去
・体内で消えるステント 生分解型器具、心臓守る
・ＢＭＷ、首都圏でＥＶ実験 来年、次世代送電網連携も 新型車、５年以内に投入
・冷凍「骨なし魚」家庭に拡販 解凍不要 大冷、年内にTV通販
・身振りや声で入力･操作 Xbox用新技術 「MS帝国」ゲームの逆襲 PC・携帯応用狙う
・ゲーム操作新感覚競う 米の見本市「Ｅ３」 眼鏡なし３Ｄ／体の動き連動 「現実らしさ」に活路
・電子書籍閲覧ソフト ダイヤモンド社が外販 iＰｈｏｎｅ向け 新たな収益源に
・ＩＢＭのノーツ／ドミノ クラウドで提供 ＣＳＫシステムズ
・ポスト「はやぶさ」の技術継承 好景気、予算不足で暗雲 米が猛追 明確な宇宙戦略急務
・電子出版月５万円で キバン クラウド型サービス 販売／決済機能備える
・ｉＰａｄ向け雑誌 動画・ネットで「紙超え」 Ｗ杯、毎日無料で
・システム構築 失敗防げ ＢＡＢＯＫじわり浸透 顧客の業務分析 解決へ優先順位
・見合い成就 まずは携帯 東芝、富士通と事業統合 ＬＳＩ・液晶「婚活」続く
今週は、どんな一週間なのでしょうか。
