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 Decmber First week

 先日久しぶりに、小野村事務所のオーディオ機器を入れ換えました。事務所を手に入れたのが15年ほど前なのですが、そのときにオーディオセット(コンポーネントオーディオ)も一式購入し、現在でも利用しています。というのも、もともとオーディオマニア&シネマニアであり、サラウンド環境の整ったオーディオセットを導入することが夢だったからです。さらに独立後は、仕事中はずっと音楽を鳴らす癖がついているため、その意味でもオーディオは必須でした。仕事中にDJはうるさいので、ラジオではなくもっぱらCDを鳴らします。もちろんダイレクトドライブの名機であるレコードプレーヤーもあるのですが、操作の手間を考えるとCDが手放せませんでした。しかし一枚のCDをヘビーローテーションで聞くのも辛いので、昔(今も?)Pioneerから発売されていた300連奏のCDデッキを愛用していました。若い方はお解りいただけないかもしれませんが、昔のジュークボックスそのものの構造であり、300枚のCDが円形状のトレイにセットされ、それがぐるっと回るという非常に優れものでした。

 ただしこの機器には一点だけ問題がありました。なにかといえば、どこにどのCDをいれたか解らなくなるのです。もちろんメモリー上に手作業でCD名や演奏者名を入力する機能はあるのですが、テンキーを利用してそんな面倒なことをするわけがありません。となると、何を聞いているのか解らない、聞きたい奏者のCDが解らないと行った非常にややこしい事態が頻繁に起きていました。結果として、数年前iPod nanoを入手したときからその利便性によりPodをアンプに直接つなぐようになり、現在では300連奏CDをあまり使わない状態が続いていました。

 アンプには、 iPodのヘッドホン端子から出力した音を、ケーブル経由でAUXという汎用端子につなぎます。いわばiPod上のデジタルデータをiPod上でアナログデータに変換し、アンプで音量を増幅して鳴らす、という方法をとります。つまりCDに記録されたデジタルデータをiPodに取り込み、それをiPod上のCPUでアナログ変換をして鳴らしていたのです。とはいえ便利は便利ですし、iPod上そのものの音もたいしたことはないので、特に不満なく利用してきました。

 とはいえ所有するCDは1000枚ほどありますし、反面iPod nanoは4ギガのメモリしかありません。となると曲の入れ替えが面倒ですし、面倒がると結局同じ奏者の曲ばかり聴くことになる、となると300連奏を再び利用する、ということを繰り返していたため、今回とうとうiPod Classic(160ギガ)を購入することにしました。それによって300連奏をCDを撤去し、大量CDを完全にコントロールできる音楽環境をととのえることができると考えたのです。ところがそうなると、CDを鳴らす機器がなくなります。完全CDレスはやはり不便なため、iPodを接続利用できるというDENONのCDプレーヤーも購入してみることにしました。このプレーヤーは優れもので、リモコンでiPodを直接コントロールできますし、演奏者や曲名を機器上のディスプレイにも表示してくれます。

 実際につなげてプレイしてみると、衝撃です!ビックリしました!なんと、ものすごく音がいいのです!!

 いままでiPod nanoを接続していたときとは、全く異質の音です。15年もたったのでスピーカーがへたったかな、あるいはiPod classicが進化したのかなと思っていましたが、全くの間違いでした。そうです、デジタル処理の問題だったのです。

 iPod上の音楽データはデジタルです。これをヘッドフォンに流すためには、iPod上のCPUでデジタル→アナログ変換をしなければなりませんし、その出力のためにアンプ(増幅器)機能も必要となります。iPod上は小型で省電力でなければなりませんから、CPUは非力なものとなりますし、デジタル→アナログ演算も簡略になります。デジタルの階段を一段ずつ波の形に変えると処理が重くなり、CPUの負担が増しますので、おそらく数段飛ばし毎に階段をつないで波にするなど、簡略な処理が行われていたようなのです。ところが今回のCDプレーヤーは画面に演奏者や曲名が表示できることから解るように、すべてのデジタルデータをそのまま取り込み、CDプレーヤー上でデジタル→アナログ処理をしているようなのです。となれば、CDプレーヤーには強力なCPUがついていますので、演算は非常にきめ細かに行われますので、音質はCDと一緒になります。さらにその伝送には光デジタルケーブルでアンプにつながりますから、全くデータに劣化なく音が増幅できます。そうなれば、当然音は良くなる、という原理のようです。

 ただしそれを理論的に解るのと、音というものが伝える感動は全く別物です。仕組みや方法には感動しませんが、鳴る音に人間は感動します。曲の旋律は一緒ですし、演奏者も一緒、ただし鳴っている音そのもは違う、これがまさに感性品質のようです。小型テレビで映画の音を聞くのと、映画館が違うようなものです。

 私自身、趣味のJazzを聞きに年数回ブルーノートなどのライブ会場に脚を運びます。やはりそこで直接聞く音楽と、CDやDVDを経由した音楽は、異質のものであると思わざるを得ません。そこまでの再現力をITはまだ持っていないということですし、それを持ったとき、ITは人々を違う世界に誘う可能性を持っているのです。できなかったことをできるようにする、というのがITの基本命題です。しかしその命題を達成しつつある今、我々は次の課題である、できることを全く違った質・量に変革していくという新しい命題に向かって歩き出さなければなりません。その一つのヒントとして、感性品質があることは間違いないようです。

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 先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・設計の矛盾 自動検証 日本IBM システム開発効率高める
・アドビが制作ソフト 電子書籍 来年発売 出版社支援、まず4社
・高機能携帯、持ち出し禁止? デジタル時評 モバイル時代の働き方問う
・手術前準備 効率的に ホギメディカル 器具や機材個数も表示 原価管理も可能
・10年後、14倍1300万台に HV・EVの世界販売台数 民間見通し 15年以降に急拡大
・IT活用で共同研究 野村総研など アジア政府機関に提言へ
・ソニーの業務プリンター事業 大日本印刷が一部買収
・巨星が引退、米IT市場で逆風 インフォシス・テクノロジーズ(インド)
・新車発表会見、性能触れず トヨタ、「顧客目線」新手法
・新たな機器 対応に力 リナックス開発者トーバルズ氏インタビュー 統制手法長く続かず
・送電線網に4200億円 印政府系パワーグリッド 変電能力3割増
・北朝鮮の砲撃、韓国企業,影響少なく サムスン:何もない ロッテ:通常営業
・ラジオ復活へ若年層開拓 電通と13局、ネット配信会社 新たな広告モデル探る
・さいか屋、通販にクラウド 受注とPOS連携 注文処理、大幅に効率化
・楽天と丸井グループ 電子商取引で提携 垣根超えた集客狙う
・埋め込み型補助人工心臓承認へ 継続利用、課題多く 保険制度など整備半ば
・リーガル、上海に大型店 省都級中心 3年で20店舗に倍増
・電子書籍専用端末を来月発売 ソニーも「配信で稼ぐ」 アップルを追撃

 今週は、どんな一週間なのでしょうか。