(続き)
・チケットの購入は、駅に3台ほどある自動販売機で行う。ただし基本的にICカードであり、対話型の画面を
操作しながら購入を行う
・言語は韓国語、中国語、英語、日本語に対応しており、タッチセンサーで操作を行う。しかし基本的にチケッ
トの種類やその定義がわかりにくく、言葉としてわかっても、操作が難しい
・改札はICカードを接触させ、回転する方式と、何もない方式の両方がある。
・チケットセンターやホテル、レストランなど、基本的にPCやPCレジを利用している
・クレジットカードのサインが、デジタイザーを利用しているケースが多く、そのサインが控えに印刷される形で
ある
・景福宮では、多国語対応の音声案内端末以外に、画面表示のある多国語対応の対話型案内端末も貸し
出していた
・Wi−Fiは結構敷設されているようで、市内ではどこでも電波が拾えた
■日本とは違う点
・PSPやDSなどの携帯ゲームをやっている人間はほとんどいない
・ヘッドフォンをしている人間も、それほど見かけなかった
・スマートフォンの操作は見かけたが、ゲームではなく、Webや地図にアクセスしているようである
・携帯電話のメールやネットサービス、ゲームをやっている人間はあまり見なかった
・携帯電話を老若男女ともに、地下鉄内でも普通に使っている。もちろん、走行中も通話ができるので、地下
のネットワーク敷設状況も進んでいるようである
・喫茶店で、PC等を利用している人間は、日本ほど多くはない
■韓国の経済事情
・街中に活気があり、人が非常に多い
・全体に活況感が有り、日本より経済状態は良いように感じた
・高層ビルが非常に多い。また建設中のビルも多く、経済力を感じる
・人口の半分がソウルに集中しているだけ有り、市街の高層マンション群が圧巻である(平屋は、ほとんどな
いように思える)。反面、緑が極端に少ない
・日常製品も基本的に韓国製品が多く、日本製品を見かけることは少なかった
■その他の面白かった点
・日本同様の店舗があるが、サービスレベルが違う
・コーヒーショップは、非常に多い。スタバの数は圧巻であるし、他のプレミアムコーヒー店が多い
・反面、早朝に開店している店が意外と少ない。スタバなどのコーヒー店が、どこも10時前後にオープンとい
うのは驚いた
・コンビニはセブン-イレブン、ファミマ、ミニストップなどが普通にある。もちろん韓国ローカルチェーンも多い
・屋台が多い。販売物の種類もバラエティに富む
・英語が意外なほど通じず、街中も基本的に英語表示は少ない。反面日本語が通じるし、日本語表記のもの
は多い(間違いは多いので、笑えたり戸惑ったりの連続だが...)
・コーヒーショップやタクシーなどのサービスレベルは、低いように思う。これは受験制度に起因するようで、大
学=エリートであり、そこをドロップアウトするとやはり職業面でも制約が大きいように感じる(計算間違
い、サービス間違いは非常に多い)
・芸術面では進んでいる部分をすごく感じる。韓国独自のショーやパフォーマンスが非常に活発であり、質も
高い(言語を使わないコミュニケーションやパフォーマンスのあり方は、勉強になった)
■問題を感じたのは。なんといっても自動車の多さとマナーの悪さ
・自動車が多いが、渋滞は多く運転マナーもきわめて悪い。当然、事故も多そうである。(4日間で、2件見
た)ただし、車対車間の問題であり、人間に対してはマナーは悪くない(無音で背後をついてくるのは、ちょ
っと驚く)
・原宿の歩行者天国のような場所に、平気で車が入ってくる
・自動車は基本的に韓国車ばかりであり、日本車はきわめて少ない
■模倣文化の蔓延(Me Too文化)
・基本的に、模倣が目立つ文化である。××そっくり、という商品が非常に多い。韓国では「Me Too」マーケテ
ィングと呼ばれているようであるが、知的財産に関する考え方は相当に後進国であると思われる
・韓国車のデザインは、基本的に日本車の模倣であり、どこかで見かけた車ばかりである。デザイン的に独
創的と思った車種は、2〜3種類であった。(しかし、ひょっとすると日本のコンセプトカーのデザインのよう
な気もしたが…)
・市場でも、「完璧な偽物」という物売りが多く、実際コピー商品が非常に多く出回っているようである
反面デザイン的に素晴らしいのは、建築の世界である。岩盤の違いがあるため日本と単純比較はできな
いが、きわめて独創的なデザインの建物が多い
このようにさまざまな点で日本との違いを感じ、活気を感じさせられる国でした。しかしなにか、ちょっと引っかかることが多かったのは事実です。その違和感の原因を考えてみると...
■いたるところで、休戦中を感じる
・駅や繁華街を、休暇中の韓国軍兵士が戦闘服で歩いている
・道路が直線で広く、滑走路利用を前提としている
・地下が深く、地下鉄網が進んでいる。岩盤が固いので、シェルターの意味もあるようである
・空港は撮影禁止で、職員の愛想も相当に悪い(軍人が担当している雰囲気である)
■貧富の差が激しい
・1990年代の経済破綻により、大企業エリートによる躍進が激しいようである。つまり大企業に入れなけれ
ば、収入が限定されてしまうようである
・大企業に就職できるかは、大学によって決まる。したがって、報道されるような入試騒ぎになるようである
・大学に進めなければ、男子は20歳で徴兵であり、その後の保証がさがるようである。となると、スピンアウト
して、街中で職を探すしかない
・大企業エリートと、それ以外との貧富の格差が生まれてしまう
さまざまな問題はありつつも、それでも韓国が事実上破綻した経済を立て直し、世界で躍進しているのは事実です。となると、我々はそのモチベーションや方法論を、積極的に学ぶ必要があると思うのです。
日本の現状は、一億総中流意識で世界で没落している最中です。かたや、ある意味弱者切り捨てによる差別を生んででも、世界のあらゆるところで躍進しているのが韓国です。理想的には、そういった格差を作らずに世界で躍進する方法をさがすことですが、現実は難しいところです。となると、日本のあり方を、真剣に考えるときだと思うのです。
私は一億総中流でも、国民的な情報リテラシーが高いことはアドバンテージのように思えます。情報リテラシーが高いからこそ、新しい情報技術を積極的に使ったチャレンジができますし、それが日本国民に受け入れられれば、数年後に世界でチャンスが生まれるはずです。
かの国から学び、再び我々の先達から学ぶ。我々の先達は、世界のどん底国から40年ほどで、我が国を世界有数の国にしたことを思い出さなければなりません。かの国にできたことは、我々にもできるはず。先達がなしえたことは、我々でも可能なはず。あとは、想像と思考と挑戦です!これが今の我々に、求められていることなのかもしれません。
どこに日本のアドバンテージがあり、国際化の中でそれをどう生かすか。またまた新しい命題が見つかりました。私は考え続けなければならないようです。
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先週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・社員全員を「カリスマ」に ネットのチカラ 迅速な情報共有 指示待ちから脱皮
・「家飲み」向け商品投入 ハム・ソーセージ各社 日ハム:独でスパイス調合 伊藤ハム:ワインに合う香り
・巨人ノキア 背水の陣 高機能携帯に「ウィンドウズ」 独自OSと決別、賭け
・NEC 「脱PC戦略」船出 アンドロイド採用端末を投入 キーボードを搭載
・アップル、取引先監査報告 3施設から調達中止 規範違反は37拠点
・幻冬舎、MBO成立へ 対抗のイザベル代理人 立花証券の危険 残念
・大病院・診療、連携容易に 医療データ共有 日本マイクロソフト
・クラウド型を今春開始 電子看板 ジャトー コンテンツと連携
・電子カルテ、無線で ワコムがルーター ペン端末の操作楽に
・端末「オープン型」で攻勢 NTTと角川G コンテンツ配信サービス 機種選ばず 制作・利用幅広く
・携帯アプリ配信基盤 「世界仕様」へ本格始動 通信各社連携 アップルに対抗
・中小に自社専用クラウド ビットアイル、初期費用安く 仮想サーバー貸し出し
・腕時計用、4割省電力 シコー 小型振動モーター
・「統合管理」市場奪い合い 電話・メール・TV会議など シスコやMS、新製品
・グーグルも課金システム 雑誌配信、陣取り激化 対アップル手数料安く
・BI事業を本格化 アビームコンサル 営業成約率向上など支援
・医療機関倒産2割減 金融円滑化法も要因に
・有望「フロリダ」思わぬ停車 JR東海連合、戦略見直し必至 州知事交代で計画凍結
今週は、どんな一週間なのでしょうか。